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490. 野菜研究 ―世界の栄養改善に向けてー

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490. 野菜研究 ―世界の栄養改善に向けてー

野菜は、体の調子を整える働きをもっている栄養素・機能性成分であるビタミン、ミネラル、カロテノイド、食物繊維などを含んでいるため、私たちは毎日野菜を摂る必要があり、毎日の食事の中で、1日サッカーボール1個分 (400 g) の野菜を食べることが推奨されています。

一方で、世界の栄養事情に目を向けてみると、’隠れた飢餓’と呼ばれる栄養失調が深刻な食料問題として注目されてきています。日々の生活に必要な栄養が取れていない人は、世界で20億人を超えることが知られていて、飢餓で苦しんでいる人々 (8億人) よりも多いと報告されています。このような人々は私たちが暮らしている日本などの先進国よりもアフリカ・アジアの開発途上地域でより深刻になっています。

野菜を食べること、栄養素・機能性成分をとることは、健康な生活をおくるうえでとても重要です。私は、野菜の遺伝資源を使って、アフリカの栄養改善を図る研究を行っており、すでに国際農研と様々な研究を行っているタンザニア国をアフリカのモデル国として、研究を行っています。

私自身はこれまで、分子生物学的な方法でDNAレベルでの研究を行ってきました。その研究経験をもとに、高栄養性系統の選抜、現地に適した品種改良を目指して、台湾にある世界蔬菜センターに長期滞在し、トマトとアマランサスの遺伝資源研究を実施しています。トマトは世界で最も栽培・生産・消費される野菜であり、アマランサスはアフリカの伝統野菜の一つです。しかしながら、農学的なアプローチだけでは、様々な問題を解決することは難しいことがわかり、国際農研、世界蔬菜センターの社会経済学などの多方面の研究者と共同で研究を行っています。国内外の多方面の研究者と連携協力し、トマトとアマランサスの遺伝資源研究を通じて、世界の栄養改善に貢献できればと考えています。

本記事は、広報JIRCAS最新号より抜粋し一部編集した記事です。最新号はウェブサイト(https://www.jircas.go.jp/ja/publication/jircas)からもご覧いただけます。

(文責:生物資源・利用領域 星川健)

 

世界蔬菜センターの研究者とともに。筆者は前列左から3番目

タンザニアでの調査にて。筆者は左から2番目