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458. 2021年の気象記録

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458. 2021年の気象記録

2022年1月13日、アメリカ航空宇宙局(NASA) やアメリカ海洋大気庁(NOAA) などの米国の研究機関は、 2021年が史上6番目に暑い年であり、史上最高値を記録した2016年・2020年に引けを取らない高温を記録したと公表しました。海洋の表層に蓄積される熱量を測る海洋熱含量(Ocean heat content:OHC)は、大気中の熱の大部分の吸収源ということですが、2020年の値を超えて史上最高値を記録しました。研究者らは、太平洋でのラニーニャ現象が冷却現象をもたらし、エルニーニョ現象に見舞われた2016年とは対照的になったと指摘しつつも、2021年はラニーニャ下で史上最高に暑い年であったとしました。NASA・NOAAとも、過去8年間は史上最も連続して暑い期間であったとし、自然の変動要因を除けば、10年間の平均気温は140年前よりも1.1℃高くなっていると認めています。この8-10年間で明らかに気温が急上昇していることから、気温上昇が加速しているのではないかと考えている研究者もいるとのことです。

2021年8月に公表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第 6 次評価報告書・第 1 作業部会報告書(自然科学的根拠)は、人為的な活動による温室効果ガスの排出が、産業革命期以降の気温上昇の原因であることは疑いの余地がないとし、気温上昇に伴う気候変動の加速で、異常気象の頻度が上昇すると警鐘をならしています。 

農林水産業は気温上昇や異常気象の頻発により気候変動に大きな影響を受けるだけでなく、その生産・流通・消費過程において温室効果ガスの排出をもたらすことで気候変動の原因ともなっています。これ以上の温室効果ガス排出を回避し、環境・生物多様性を維持しながら持続的に世界の食料栄養安全保障を確保するための科学技術イノベーションが求められています。

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)