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446. 食料農業のための土地と水資源-主要なファクト

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446. 食料農業のための土地と水資源-主要なファクト


先日、国連食糧農業機関による「食料農業のための世界の土地・水資源に関する白書(SOLAW 2021)」の主要なメッセージを紹介しました。 今回、報告書がまとめた土・水に関する主要なファクト(Key Facts)を載せます。

  • 我々の食料の95%が土地に由来します。
  • 汚染された水資源に該当する全2,250平方キロメートルのうち、産業由来が660平方キロメートル、世帯・都市が330平方キロメートル、農業を原因とするものが1,260平方キロメートルです。
  • 世界で生産される食料の60%が耕地の80%を占める天水農業に依存し、灌漑農業は20%の耕地で40%を生産します。
  • 2000年、都市部は地上の0.5%しか占めていませんでしたが、急激な都市化(2014年時点で54%の世界人口が都市住民)により、農業適地を侵食し、土地・水資源に大きなインパクトを及ぼすようになっています。都市化計画のアセスメントが必要です。
  • 世界の土壌の33%が程度の差こそあれ劣化しています。
  • 土壌の塩類化は毎年150万ヘクタール相当の農地を生産不能にし、4,600万ヘクタールの農地の生産性を低めています。
  • 土壌浸食は、毎年200-370憶トンもの表面土壌を喪失し、作物収量や土壌の炭素・養分・水の保持能力を損ないます。浸食による穀物生産喪失は毎年760万トンに相当すると推計されます。
  • 世界的にも、農業は、主に灌漑目的のために、地表・地下水の使用の72%を占めます。
  • 世界の灌漑用地3.42憶ヘクタールのうち、62%が劣化しています。
  • 内陸漁業は2019年に1,190万トンに達し、世界の捕獲漁業の13%を占めます。17か国が世界の漁獲量の80%を占め、アジアが内陸漁業では世界の66%の漁獲量を占めます。
  • 世界人口が増えるにつれ、一人当たりの水資源量は低下傾向にあり、2000年には6,995立方メートルであったのが、2018年には5,630立方メートルに落ち込んでいます。

 

(参考文献)
この記事は以下の文書を元に文責が作成しました。
FAO. 2021. The State of the World’s Land and Water Resources for Food and Agriculture – Systems at breaking point. Synthesis report 2021. Rome. https://www.fao.org/documents/card/en/c/cb7654en 

この記事は CC BY-NC-SA 3.0 IGO
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/3.0/igo/legalcode
に基づき利用可能です。

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)
 

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