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301. 食料危機に関するグローバル報告書:1億5500万人が急性的な食料不安

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食料危機に対するグローバルネットワーク(Global Network Against Food Crises: GNAFC)は、SDGの目標2(飢餓をゼロに)達成に向けて2016年にEU、FAO、WFPによって設立された、国連、EU、政府および非政府機関が食料危機に協働して取り組む国際的なネットワークです。今月、2021年版の年次報告書「食糧危機に関するグローバル報告書(Global Report on Food Crises)」を発表しました。

この報告書によると、昨年少なくとも1億5500万人が急性的な食料不安(IPC / CHレベル3以上注)に陥りました。これは前年から比べて約2000万人の増加であり、第1回目の年次報告書が出版された2017年から増え続けています。これらのうち13万3千人は、最も深刻なレベル5に分類され、ブルキナファソ、南スーダン、イエメンでは、広範囲にわたる死と生活の崩壊を回避するために緊急の行動が必要でした。また、報告書の対象となった55の食料危機の国/地域では、5歳未満の子ども1,500万人以上が消耗症(身長に対して体重が軽すぎる状態。急性的な栄養不足を示唆)でした。

アフリカが最も深刻な地域であり、急性的な食料不安に直面している人の3人に2人がアフリカ大陸に住んでいます。しかし、イエメン、アフガニスタン、シリア、ハイチなど他の地域の国々でも深刻な食料不安に陥っています。

主要な原因としては紛争(9900万人:前年の7700万人から増加)、新型コロナウイルスも含む経済的ショック(4000万人:2400万人から増加)、異常気象(1600万人:3400万人から減少)となっています。2021年以降の見通しも厳しいものです。グローバルネットワークは、緊急かつ断固たる行動の必要性を強調し、国際社会が飢餓に立ち向かうよう動員することを求めています。

注)IPC/CHレベルとは急性的な食料不安を示す指標で、(1)無し/最小、(2)ストレス、(3)危機、(4)緊急事態、(5)大災害 を示します。FAO他が発表する「世界の食料安全保障と栄養の現状」報告書における慢性的な飢餓とは異なる指標であり、より極度の飢餓を示唆します。

参考文献
FSIN and Global Network Against Food Crises. 2021. Global Report on Food Crises 2021. Rome. http://https://www.fsinplatform.org/sites/default/files/resources/ files/GRFC2021.pdf
FAO. press release. Acute food insecurity soars to five-year high warns global report on food crises. http://www.fao.org/news/story/en/item/1397355/icode/ Accessed on May 24.

(文責:情報広報室 白鳥佐紀子)