沖縄県石垣市に所在する熱帯・島嶼研究拠点(熱研)では、熱研の研究活動の一端を分かり易く市民のみなさまに紹介し、研究活動を理解していただくとともに研究情報が市民のみなさまの生活の一助になることを期待し、熱研市民公開講座を開催しています。2007年5月に初めて開催した熱研市民公開講座も、今回で44回目となりました。

今回の「農薬だけじゃない 知っておきたい害虫防除法」では、害虫の防除のための基礎知識として、さまざまな害虫防除法とその特徴、それらを上手に組み合わせる総合防除法などについて説明いたしました。また、サトウキビ白葉病とその媒介昆虫、害虫の弱点に基づくサトウキビ白葉病の防除技術開発などの説明を通して、タイにおける熱研の研究活動についても紹介いたしました。化学的手法としての農薬だけでなく、耕種的手法や生物的手法などを最適に組み合わせた総合防除の活用が、環境保全の観点からも期待されています。参加した石垣市民52人との質疑応答や意見交換では、生物的防除法の交信かく乱法、八重山在来天敵の利用、サトウキビ白葉病が沖縄に侵入した場合の被害規模、害虫防除の経済性、総合防除や総合的害虫管理としての注意点、農薬抵抗性害虫になる仕組、害虫抵抗性作物育種の可能性などについて、活発な質問や意見をいただきました。また、終了後の会場では講師へ追加質問をする参加者もおり、総合防除についての情報提供の良い機会になりました。総合防除や総合的害虫管理に用いられている技術について、市民のみなさまの理解が広がることを期待しております。

今後とも、熱研の発信する研究情報などが市民のみなさまのために役立つことを希望しております。

なお、下記のとおり、報道されました。

  1. 沖縄タイムス2018年4月17日朝刊第21面「キビの白葉病 防除技術学ぶ 石垣 国際農研」http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/238993
第44回熱研市民公開講座にて熱心に聴講する市民

第44回熱研市民公開講座にて熱心に聴講する市民

害虫防除法の各技術について活発に質問する市民

害虫防除法の各技術について活発に質問する市民