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212. 2020年は2016年と並んで史上最も暑い年に

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年末から今週初めにかけて、日本には記録的な寒波が押し寄せ、昨年の猛暑や11月までの暖かさをすっかり忘れてしまっています。


2021年1月8日、EUのコペルニクス気候変動サービスは、2020年は2016年と並び史上最も暑い年であり、2015年以来6年間連続の記録的暑さ、かつ2011-2020年は最も暑い10年間を記録したことを発表しました。

2020年は1981-2010年の基準期間より0.6℃、1850-1900年の産業化以前の平均気温よりも1. 25℃ほど高い気温を記録しました。とりわけ北極と北シベリアの一部では平均よりも6℃高い温度を記録しました。さらに、この地域で発生した火災は大量の二酸化炭素を大気中に放出し、また2020年後半には北極海海氷の大幅な減少が観察されました。

全体的に、北大西洋地域を除く北半球は平均以上の気温を記録しました。対照的に、南半球、とりわけ太平洋東部赤道付近では、年後半のラニーニャ現象展開により平均以下の気温を記録しました。2020年は冷却効果を持つラニーニャ現象にもかかわらず、気温上昇効果を持つ強いエルニーニョ現象要因にも押されて史上最高気温を記録した2016年と並んだことが特筆すべきことです。

日本も近年極端気象の影響を受けていますが、気候変動は単独では解決できない地球規模課題であり、国際連携が求められています。 国際農研は、地球規模課題の解決に必要な技術開発や政策課題について、情報提供を行っていきます。

 

参考文献


Copernicus: 2020 warmest year on record for Europe; globally, 2020 ties with 2016 for warmest year recorded DATE:8th January 2021 https://climate.copernicus.eu/copernicus-2020-warmest-year-record-europ… 

(文責:研究戦略室 飯山みゆき)
 

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