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107. Carbon Brief: 2020年は史上1番目か2番目に暑い年に

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2020年8月11日、日本でも数か所で40度を超える気温が記録されました。イギリスで気候変動関連の情報提供を行うCarbon Briefは、7月30日、2020年は史上1番目か2番目に暑い年になりうるとの論考を発表しました。グローバルな表面温度は2020年上半期、2016年に匹敵するほど例外的に高い値を示しました。熱帯太平洋地域でとりわけ強いエルニーニョ現象が見られた2016年と違い、今年はこれまでのところエルニーニョ現象が「中立的」であることを踏まえれば、著しい高気温を記録していると言えます。

2020年6月は、1850年に観測が始まって以来、1番目か2番目に高温を記録しました。2020年の上半期は、異常気象によっても特徴づけられます。オーストラリアでは高温を記録し、北シベリアでは産業革命以前に比べ7度以上の高温を記録しました。この異常な高温は人為的な温暖化なしに殆ど起こりえないとされています。北極海氷も7月の殆どでに低い水準を記録しました。まだ確定できませんが、2020年は北極海氷域の最低値記録を更新しそうです。

人為的なCO2や他の温室効果ガス排出が長期的な地球の温暖化の原因となっている一方、一年の気温の変動は地球の短期的な気候に影響され、地球の気候はエルニーニョやラニーニャと密接に関連します。これらは熱帯太平洋での海洋・大気気温の変動をもたらし、年ごとの高温・低温傾向に影響します。2020年の前半期はエルニーニョは中立的で気温への影響は殆どないとみられる中、ここ2か月ほど穏やかなラニーニャが発展しています。予測によると相対的に小さい影響ながらラニーニャは今年後半に続くようです。

参考文献

Carbon Brief. State of the climate: 2020 set to be first or second warmest year on record STATE OF THE CLIMATE  30 July 2020 https://www.carbonbrief.org/state-of-the-climate-2020-set-to-be-first-o…

(文責:研究戦略室 飯山みゆき)

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