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125. Visual Capitalist: 3Dマッピングが示す高人口密度地域分布

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2020年8月21日、Visual Capitalistにて、高人口密度地域の3D人口マッピング地図(3D Mapping)が紹介されました。これらの地図における棒グラフは面積当たりの居住人口を表しており、人口密度の高いクラスターがくっきりと示されています。食料需給に影響を与える78億人近い世界人口の分布と地理的制約の把握を直感的に可能にするこのツールは、持続可能な開発を目指す上で大変参考になります。

中国では、香港・広州・上海の人口密度の高さは知られていても、例えば四川盆地の成都や重慶といった中国内陸部の人口集中には驚きを受けるかもしれません。興味深いことに、中国人口の93%以上は海岸が近い東半分に居住しており、韓国や台湾でも同様で西海岸沿いに人口クラスターが形成されています。アメリカも海岸地域に大きな人口クラスターが見られますが、アジアに比べ、スプロール現象(都市が周辺への無秩序な拡大する現象)が見られます。

インドと東南アジアに関しては、狭い範囲で非常に高い人口密度が観察されます。インドの13.8億の人口は中国国土の3分の1程の面積、それもインドの北側に集中しています。ムンバイ、ニューデリー、カルカッタ、バングラデッシュのダッカなどでクラスターが見られ、膨大な人々の集中により、高い人口密度を示す棒グラフが密となって複数の「ピーク」を形成しているように見えます。

地理的な制約は人口密度の最大の決定要因となりますが、とりわけ東南アジアでは明らかです。例えば、世界第4位の人口を抱えるインドネシアは多くの島を持つにもかかわらず、2.69億人の人口の半分以上がジャワ島でクラスターを形成しています。

9月2日には、同サイトにて、The Lancet誌で公表された最新の世界人口予測国連世界人口予測と比較した図も紹介されました。

参考文献

Visual Capitalist. 3D Mapping The Largest Population Density Centers August 21, 2020By Omri Wallach  https://www.visualcapitalist.com/3d-mapping-the-worlds-largest-populati…

Visual Capitalist. The World Population in 2100, by Country September 2, 2020 https://www.visualcapitalist.com/world-population-2100-country/

97. The Lancet: 195か国・地域を対象とした2017年から2100年の出生率・死亡率・国際移動・人口シナリオ https://www.jircas.go.jp/ja/program/program_d/blog/20200729 

国際連合「世界人口予測 ・2019年版 [United Nations (2019). World Population Prospects 2019]」概要 https://www.jircas.go.jp/ja/program/program_d/blog/20190618

(文責:研究戦略室 飯山みゆき)

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