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118. 国連気候変動年次報告 2019

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2020年8月20日、国連は、「国連気候変動年次報告 2019United Nations Climate Change Annual Report 2019」を発表しました。

本報告書は、気候変動枠組条約(UNFCCC)のもとでの政府間交渉や事務局の活動、とりわけ京都議定書やパリ協定に貢献する達成事項をまとめています。本レポートは、気候変動を「地球の緊急事態: A Planetary Emergency」と捉えています。エネルギーの生産・消費や農地拡大のための森林伐採を通じた人為的な温室効果排出ガスが蓄積し、産業化以前以来1.5℃を上限とすべきにもかかわらず、既に気温は1.1℃しています。洪水や山火事などの異常気象が頻発化し、地球の気候バランスの均衡が崩れ、経済・生活・エコシステムを不安定化させています。気候変動は本質的にグローバルな事象であり、その解決のために人類は協調しなければなりません。手遅れになる前に、生産・消費の方法とエネルギーの調達方法を抜本的に変え、エコシステムの保護を通じて、気候ストレスに対しての強靭性を強めるべきです。大規模で不可逆的な危機に直面する中、将来の気候変化について不確実性があることを認識しつつも、抜本的な対策を支持する科学的根拠は十分にそろっています。

 

参考文献

UNFCCC. United Nations Climate Change Annual Report 2019 https://unfccc.int/annualreport https://unfccc.int/sites/default/files/resource/unfccc_annual_report_20…

(文責:研究戦略室 飯山みゆき)

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