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1537. 2026年6月、西ヨーロッパは観測史上最も暑い6月-C3S報告が示す熱波の連続発生と気候リスクの高まり

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1537. 2026年6月、西ヨーロッパは観測史上最も暑い6月-C3S報告が示す熱波の連続発生と気候リスクの高まり

 

欧州の気候監視機関であるコペルニクス気候変動サービス(C3S)は、2026年6月の世界の気温、海洋、極域および水文状況に関する最新の分析結果を公表しました。同報告によれば、2026年6月の世界平均気温は観測史上2番目に高く、西ヨーロッパでは観測史上最も暑い6月となりました。また、海面水温も6月として過去最高を記録しており、気候システム全体で熱の蓄積が進行していることが示されています。

具体的には、世界平均気温は16.54℃で、1991~2020年平均を0.56℃上回りました。さらに、産業革命前(1850~1900年)の推定平均と比較すると1.39℃高く、2024年6月に次ぐ観測史上2番目の高温となっています。

海洋についても高温状態が継続しています。C3Sによると、2026年6月の北緯60度から南緯60度までの海域における平均海面水温は20.86℃となり、6月として観測史上最高を記録しました。これは従来の最高記録である2024年6月を0.01℃上回る水準です。また、熱帯太平洋において高温域の広がりが確認されており、エルニーニョ現象に関連する海洋状態の変化が示唆されています。一般に、エルニーニョ現象が発達した場合、世界的な気温上昇や異常気象の増加につながる可能性があると指摘されています。

ヨーロッパでは6月後半に非常に強い熱波が発生しました。なお、5月以降、欧州では熱波が断続的に発生しており、7月初旬にも新たな高温事象が報告されています。こうした状況は、短期間に極端高温が連続して発生している可能性を示唆しています。C3Sの分析によれば、西ヨーロッパの平均気温は20.74℃となり、1991~2020年平均を3.06℃上回りました。この値は前年(2025年6月)の記録を更新し、西ヨーロッパとして観測史上最も暑い6月平均気温です。ヨーロッパ全体でも平均気温は19.14℃となり、6月として観測史上2番目の高温となりました。

降水については、ヨーロッパの広い範囲で乾燥傾向がみられました。イタリア、西・中央・東ヨーロッパの多くの地域、英国南部では降水量が平年を下回りました。特にイベリア半島や南フランスでは高温と乾燥が重なり、森林火災のリスクが高まっています。河川流量についても、フランス、中欧、東欧、北東ヨーロッパで平年を下回る状況が観測されています。一方で、アイルランド、英国北部、バルト諸国、スカンジナビア半島、トルコ、ギリシャの一部では降水量が平年を上回り、局地的な洪水も発生しました。

世界全体では、北米の一部、東アジア南部、アフリカ南部、オーストラリアなどで多雨傾向がみられた一方、北米の一部、中南米、中東、中央アジア、ロシアの一部では乾燥傾向が報告されています。

極域について、C3Sは北極海の海氷面積が平年より約5%少なく、6月としては観測史上6番目に小さい規模であったと報告しています。特にスバールバル諸島やフランツ・ヨーゼフ諸島周辺、バレンツ海北部で顕著な減少がみられました。南極海の海氷面積も平年を約8%下回り、6月として6番目に少ない水準となっています。

以上のC3Sの分析結果は、平均気温の上昇にとどまらず、熱波、海洋高温、干ばつ、森林火災リスク、海氷減少といった複数の気候要素が同時に変化している状況を示しています。特に、5月以降に熱波が継続的に発生している点は、極端気象の頻度および強度の増加を示唆するものと考えられます。

また、エルニーニョ現象に関連する海洋状態の変化が今後さらに進行した場合、世界各地で高温・干ばつ・豪雨などの異常気象の発生確率が高まる可能性があります。これらの変化は、「平均気温の上昇」という長期的傾向に加え、「発生頻度」「発生時期」「強度」の面での極端化を伴うものであり、社会・経済活動への影響は今後さらに複雑かつ深刻になると考えられます。したがって、継続的な監視に加え、気候変動への適応策およびリスク管理の強化が重要です。

(文責:戦略統括室 飯山みゆき)
 

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