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1510. 東南アジア連絡拠点だより:タイ東部ラヨーン県におけるドリアン生産と輸出の現状

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1510. 東南アジア連絡拠点だより:タイ東部ラヨーン県におけるドリアン生産と輸出の現状

 

タイ東部ラヨーン県において、ドリアン生産農家の現地視察を行いました。本稿では、現地での観察結果に加え、公表されている統計情報等に基づき、同地域のドリアン生産の特徴を整理します。

タイは世界有数のドリアン生産国であり、タイ農業協同組合省によれば、2025年のドリアン生産量は約160万トンと見込まれており、近年は概ね160万~200万トン規模で推移しています(MOAC 2025)。FAO(2023)によれば、ドリアンの正確な世界生産統計は存在しないものの、主要生産国であるタイ、マレーシア、インドネシアの3か国で年間約300万トンが生産されていると推定されています。タイはその中でも最大の輸出国であり、2020~2022年平均で世界のドリアン輸出量の約94%を占めています(FAO 2023)。また、タイ商務省によれば、2022年の生鮮ドリアン輸出額は世界市場の93.3%を占めたと報告されています(PRD 2023)。輸出先としては中国向けの比率が極めて高く、中国が最大の輸出市場となっています(Bangkok Bank 2025)。

ラヨーンを含む東部地域(チャンタブリー県、トラート県等)は、タイにおける主要なドリアン生産地として知られています。上述した背景から、東部地域は生産拠点であると同時に輸出拠点としての役割も担っています。今回訪問した農園の関係者によれば、収穫されたドリアンの多くは中国向けに出荷されているとのことでした。

ドリアンは、乾燥条件が花芽形成を誘導し、その後の降雨によって果実肥大が進むという生理的特性を持ちます。適度な乾燥は開花を促進しますが、過度な干ばつは花や幼果の落下を引き起こし、収量の減少や果実品質の低下につながることが知られています。このため、近年では灌漑設備を導入し、水分管理を強化する農家が増加しています。実際に視察した農園は比較的小規模な経営でしたが、灌漑設備が整備されており、水管理が適切に行われていることが確認されました。

また、現地ではタイの主要品種である「モントーン」と「プアンマニー」を試食する機会を得ました。モントーンは甘味が強く、比較的香りが穏やかであることから国際市場で広く受け入れられており、果肉が厚く種が小さいため輸送適性にも優れています。このため、輸出向けの主力品種となっています。一方、プアンマニーはより濃厚で個性的な風味を有し、甘味や香りが強く、クリーミーな食感が特徴とされています。近年は品質面での評価が高まりつつあり、注目される品種の一つです。

 

(参考文献)

FAO (2023) FAO. 2023. Durian Global Trade Overview 2023. Rome.  https://openknowledge.fao.org/handle/20.500.14283/cc8384en

Office of the Permanent Secretary, Ministry of Agriculture and Cooperatives (MOAC), Thailand (2025). Fruit yields up in 2025; Durian hits 1.6 million tons https://www.opsmoac.go.th/guangzhou-news-files-471191791125

Government Public Relations Department (PRD) (2023) Thailand ranks #1 in durian exports, with 93.3% global market share https://thailand.prd.go.th/en/content/category/detail/id/2078/iid/180041

Government Public Relations Department (PRD) (2026) Thailand's Commerce Minister Takes Action for Durian Sector. https://thailand.prd.go.th/en/content/category/detail/id/2078/iid/498340

Bangkok Bank (2025) From Orchard to Empire: The journey of Thailand’s Durian https://www.bangkokbank.com/th-TH/-/media/a4be6005ca354249aed043ca228bb…


(文責:東南アジア連絡拠点 金森紀仁)

 

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