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1507. 今後5年で記録的高温が続く可能性、WMOが報告
1507. 今後5年で記録的高温が続く可能性、WMOが報告
世界気象機関(WMO)は2026年5月28日、英国気象庁(Met Office)と共同で作成した「Global Annual to Decadal Climate Update」を公表し、今後5年間にわたり世界の平均気温が記録的な高水準で推移する可能性が高いと発表しました。
同報告書によれば、2026~2030年の世界平均地上気温は、1850~1900年平均(産業革命前)と比較して1.3~1.9℃高くなると予測されています。また、この期間中に少なくとも1年が観測史上最高気温を更新する確率は86%とされています。
さらに、産業革命前比で一時的に1.5℃を超える年が出現する確率は91%と予測されています。加えて、2026~2030年の5年間平均でも1.5℃を超える確率は75%とされています。一方でWMOは、パリ協定における1.5℃目標は長期的な平均気温に基づくものであり、単年の一時的な超過が直ちに目標未達を意味するものではないと説明しています。
また報告書では、北極域の温暖化が引き続き顕著であることが示されています。今後5回の北半球冬季(11~翌年3月)における北極域の平均気温は、1991~2020年平均と比較して約2.8℃高くなると予測されており、その上昇幅は同期間の世界平均の上昇を大きく上回るとされています。
さらに、バレンツ海、ベーリング海、オホーツク海において海氷の減少が進行する見通しであるほか、降水量については、高緯度地域や熱帯域で増加する一方、亜熱帯地域、とくに南半球では減少する傾向が予測されています。これらは、温暖化に伴う水循環の変化が継続する可能性を示すものとされています。
地域別の傾向としては、サヘル地域、北欧、アラスカ、シベリアなどで平年より湿潤な条件となる可能性が高い一方、アマゾン地域では乾燥傾向が強まる可能性があると報告されています。
また、太平洋赤道域(Niño 3.4海域)の海面水温の予測に基づき、2027~2028年にかけてエルニーニョ傾向が強まる可能性が指摘されています。報告書の筆頭著者であるLeon Hermanson氏は、「2026年末にエルニーニョが発生する可能性があり、その場合、2027年に記録的な高温となる可能性が高まる」と述べています。
エルニーニョ現象は、世界各地の降水パターンや異常気象に影響を与えることが知られており、干ばつや洪水、農業生産への影響など、食料安全保障や水資源管理の観点から重要な気候要因と考えられます。
今回の報告は、地球温暖化の進行が継続していることに加え、その影響が北極域の急速な温暖化や降水パターンの変化として顕在化している可能性を示しています。これらの結果は、気候変動への適応と温室効果ガス削減の両面で、さらなる対応の必要性を示唆するものといえます。。
(参考)
World Meteorological Organization (WMO), Global Annual to Decadal Climate Update 2026–2030, 28 May 2026. https://wmo.int/resources/publication-series/wmo-global-annual-decadal-…
(文責:戦略統括室 飯山みゆき)