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1495. 2026年4月は観測史上3番目の暖かさに、海面水温は過去2番目
1495. 2026年4月は観測史上3番目の暖かさに、海面水温は過去2番目
欧州の気候監視機関であるコペルニクス気候変動サービス(C3S)は、2026年4月の世界の気温や海洋、極域の状況についての最新分析を発表しました。
報告によれば、2026年4月の世界平均気温は観測史上3番目の高さとなり、産業革命前と比べて1.43℃高い水準でした。近年継続している高温傾向が、2026年に入っても維持されていることが示されています。
海洋についても高温状態が続いています。C3Sによると、2026年4月の世界の海面水温は同月として過去2番目の高さを記録し、記録的高温となった2024年に近い水準でした。赤道太平洋から北米西岸にかけて広範囲で海面水温が高く、海洋熱波の発生が確認されています。
また、ヨーロッパの気温は地域平均では観測史上10番目の暖かさでしたが、地域差が大きいことが報告されています。南西ヨーロッパ(スペインなど)では顕著な高温となった一方、東ヨーロッパでは平年を下回る気温が観測されました。このような「同時に起こる温暖と低温」は、近年の気候の特徴の一つとなっています。
極域に関しては、北極の海氷面積が4月として過去2番目に小さい水準となりました。C3Sは、年初から海氷面積は平年を下回る状態が続いていることを指摘しています。本来であれば海氷が拡大している時期であるにもかかわらず、記録的な低水準に近い状態が維持されており、極域における変化の速さが示されています。
降水の面でも地域差が顕著でした。ヨーロッパ中西部では乾燥傾向がみられた一方、東ヨーロッパ、英国、地中海沿岸の一部では降水量が多くなりました。さらに、世界各地で極端な気象事象が報告されており、中東や南アジアでの洪水、アラビア半島での突発的な豪雨、南部アフリカでの干ばつが深刻化するなど、「水の極端化」が同時に進行しました。
さらに、太平洋では熱帯低気圧の発生も報告されており、各地で気象災害が相次いでいます。洪水、干ばつ、暴風といった異なるリスクが同時に発生している点は、気候システムの不安定性の高まりを示唆しています。
以上のC3Sの分析が示しているのは、気温の上昇に加え、海洋、海氷、降水といった複数の気候要素において同時に異常が観測されているという点です。これは、平均気温の上昇にとどまらず、極端現象の頻発や地域間のばらつきの拡大といった「気候の極端化」が進行していることを示す重要なシグナルといえます。
また、海面上昇の高止まりは、今後の気候変動の進行や異常気象の発生に影響を与える可能性があります。ただし、エルニーニョ/ラニーニャなどの大規模な気候変動現象の今後の推移については不確実性も大きく、現時点では動向を注視する必要があります。
(文責:戦略統括室 飯山みゆき)