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1476. 2026年3月は観測史上4番目の暖かさに

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1476. 2026年3月は観測史上4番目の暖かさに

 

2026年4月10日、欧州の気候監視機関であるコペルニクス気候変動サービス(C3S)は、2026年3月の世界の気温や海洋の状態についての最新分析を発表しました。

今回の報告によると、2026年3月の世界平均気温は観測史上4番目の高さとなり、産業革命前と比べて1.48℃高い水準に達しました。これは近年の温暖化傾向が依然として続いていることを示しており、気候システムにかかる負荷が一段と強まっていることを感じさせます。

特に注目されるのは海の状態です。海面水温は観測史上2番目の高さとなり、過去に記録的な高温となった2024年の水準に再び近づいています。さらに、年後半にかけてエルニーニョ現象への移行が予測されており、今後さらに気温が押し上げられる可能性も指摘されています。

ヨーロッパでは、2026年3月は観測史上2番目に暖かい3月となりました。多くの地域で平年を大きく上回る気温が観測される一方で、広い範囲で乾燥した状態が続きました。ただし、その前の2月は例外的に寒く、さらに大雨による洪水も発生しており、短期間のうちに極端な気象が入れ替わる不安定さも浮き彫りになっています。

こうした極端な傾向は世界各地でも見られました。アメリカ西部やメキシコでは異例の早い時期に熱波が発生し、乾燥も進みました。一方で、カナダやアラスカなどでは平年よりも低い気温となるなど、同じ北半球の中でも大きな差が生じています。このように、地域ごとの気温差が大きくなっている点も特徴的です。

また、北極の海氷は3月として過去最小の広がりとなりました。冬の間に最も広がるはずの時期でさえ記録的な低水準にとどまっており、温暖化の進行を象徴する結果となっています。

降水の傾向も一様ではなく、乾燥する地域と豪雨に見舞われる地域が同時に存在しています。ヨーロッパの多くは乾燥していた一方で、北欧や地中海周辺では強い降雨による洪水が発生しました。このような「乾燥と豪雨の同時進行」は、気候の不安定化を示す重要なサインといえます。

今回の発表について、コペルニクスの責任者は、これらのデータが単独でも重大であるにもかかわらず、それらが同時に起きていることが、気候システムに持続的かつ加速的な圧力がかかっている現状を示していると指摘しています。

今回の報告から見えてくるのは、単なる気温上昇にとどまらず、海洋、氷、降水といった複数の要素が同時に変化しているという現実です。2026年は、今後の気候の行方を考えるうえでも、非常に重要な年になるかもしれません。


(文責:戦略統括室 飯山みゆき)

 

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