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1362. 2024年温室効果ガス大気中濃度が記録を更新

1362. 2024年温室効果ガス大気中濃度が記録を更新
WMO(世界気象機関)のネットワークによる最新の観測結果によると、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、亜酸化窒素(N2O)の全球平均地上濃度は2024年に前例のない高さに達し、CO2は423.9±0.2 ppm、CH4は1942±2 ppb、N2Oは338.0±0.1 ppbとなりました。これらの値は、それぞれ産業革命前(1750年以前)のレベルの152%、266%、125%に相当します。
とくに世界の大気中のCO2濃度は、2023年から2024年にかけて3.5 ppm増加し、1957年に近代的な観測が開始されて以来、年間で最大の上昇幅を記録しました。この増加は、化石燃料由来のCO2排出の継続、火災による排出の増加、そして2024年の陸域/海洋吸収源の減少によって引き起こされており、気候フィードバックの兆候である可能性があります。大気中のCO2増加が地球規模の気候変動において支配的な役割を果たしていることを考えると、温室効果ガスモニタリングの継続と拡大は、為的CO2排出量の実質ゼロを達成する取り組みを支援するために不可欠です。
CH4については、2023年から2024年にかけての増加量は、2022年から2023年に観測された増加量よりも低く、過去10年間(2014年から2023年)の平均年間増加率よりも低い結果となりました。N2Oについても、2023年から2024年にかけての増加量は、2022年から2023年に観測された増加量よりも低く、過去10年間の平均年間増加率よりもわずかに低くなりました。米国海洋大気庁(NOAA)の年間温室効果ガス指数(AGGI)によると、1990年から2024年にかけて、長寿命温室効果ガス(LLGHG)による放射強制力は54%増加し、この増加のうち約81%はCO2によるものでした。
(文責:情報プログラム 飯山みゆき)