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1267. ヒート・アクション・デー

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1267. ヒート・アクション・デー

 

気候変動の影響で、世界中で猛暑が続いています。気候変動が極端な気象現象の強度と発生確率にどのように影響するかを調査する国際的な科学者グループであるWorld Weather Attribution、 気候変動とその影響に関する事実を調査し報告する科学者のグループであるClimate Central及び赤十字・赤新月社気候センター(The Red Cross Red Crescent Climate Centre)の研究者たちは、過去12か月間(2024年5月1日から2025年5月1日まで)の危険な熱波に対する人為的な気候変動の影響を評価しました。

6月2日のヒート・アクション・デー(熱中症対策デー)に先立ち発表されたこの調査では、人為的な気候変動が数十億の人々にとって危険な極暑を悪化させ、熱波の発生期間と発生頻度を高めていることを明らかにしました。報告書の主な結論は以下の通りです。

  • 過去12か月間、世界人口の約半数に相当する40億人が、1991年から2020年の間にそれぞれの地域で観測された気温分布の上位90%を超える日を30日以上経験しました。
  • 195の国と地域では、気候変動の影響により、気候変動がない場合と比較して、極暑日数が少なくとも2倍に増加しました。
  • 記録的な気温、または人や財産への重大な影響に基づき深刻と特定された67件の猛暑は、すべて気候変動の影響を受けていることが判明しました。

この報告書はまた、猛暑の影響を追跡・報告することの重要性を示し、熱中症リスクに対する実用的な解決策を提示しています。

 

(参考文献)
Giguere, Otto, Tannenbaum, Vahlberg, et al. (2025). Climate Change and the Escalation of Global Extreme. Heat: Assessing and Addressing the Risks. Climate Central, Red Cross Red Crescent Climate Centre, World Weather Attribution. https://www.climatecentral.org/report/climate-change-and-the-escalation…


(文責:情報プログラム 飯山みゆき)