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1170. 2024年12月 世界食料価格動向

1170. 2024年12月 世界食料価格動向
国連食糧農業機関(FAO)は、1月3日、世界食料価格動向を公表しました。2024年12月の値は平均127.50ポイントで、11月から0.5%下落、食肉価格の上昇を打ち消す砂糖・植物油・穀物価格の下落を反映しました。この数値は昨年よりも6.7%高いものの、2022年3月の史上最高値よりは20.7%低い値でした。2024年全期間の価格指標は122.0ポイントで、2023年平均値よりも2.1%低い値をとりました。
穀物価格指標は12月に111.3ポイントと、前月とほとんど変わらず、前年比では9.3%低い水準でした。世界小麦輸出価格は安定的に推移し、落ち着いた国際需要とアルゼンチン・オーストラリアからの季節的なによる価格下落圧力は、ロシアの冬作物条件がよくないことを反映した価格上昇圧力と打ち消しあいました。メイズ価格は、ウクライナ産メイズへの需要増とアメリカからの輸出・供給がひっ迫しているのを受け、若干上昇しました。一方、コメ価格指標は1.2%下落、インディカ米や香り米への需要低迷を反映しました。2024年を通して、穀物価格指標は113.5ポイントと、2023年水準を13.3%下回りました。
植物油価格指標は前月比で0.5%下げましたが、前年比では33.5%高い水準となりました。今月の価格微減は、ダイズ・ナタネ・ヒマワリ油価格の下落がパーム油価格の上昇を打ち消したことを反映しています。2024年全期間として、油糧作物価格指標は世界的な供給ひっ迫の中、前年比で9.4%高い水準となりました。
砂糖価格は前月比で5.1%低く、2023年12月比で10.6%低い水準でした。この下落は、ブラジルでの収穫が予測以上に好調であったことと、ブラジル通貨安、さらに2025年4月のブラジル収穫への期待と現在インドとタイで進んでいる搾汁を反映しました。2024年全期間を通じ、砂糖価格指標は2023年よりも13.2%低い水準で、ブラジルからの記録的な輸出と2024・25年期への市場の期待を反映しました。
(文責:情報プログラム 飯山みゆき)