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1029. 気候変動による極端熱波
1029. 気候変動による極端熱波
5月28日、気候科学の分析と報告を行う非営利の報道機関Climate Central、極端現象と気候変動の因果関係を分析するWorld Weather Attribution (WWA)、および国際赤十字赤新月社連盟気候センターは、2023年5月15日から2024年5月15日の過去12か月における熱波を分析、人為的に引き起こされる気候変動が危険な極端熱波をもたらし、数十億人の健康を危険にさらしたと報告しました。
報告書によると、過去12か月にわたり、世界人口の78%に相当する63億人が、極端な熱波(1991-2020年期間にその地域で観測された気温90%水準を超える熱)を少なくとも31日間経験しました。このような熱波は人為的な気候変動によって2倍ほど起こりやすくなっています。
報告書はまた、過去12か月、温暖化がなかった場合と比べ、人為的な気候変動由来の極端熱波が世界全体の平均で26日間増えたと推計しました。
今回の分析は、WWAの評価基準を用い、90か国にまたがる76件の極端な熱波を確認し、とりわけ南・東アジア、サヘル、南アメリカの高人口密度地域を中心に数十億人の健康をリスクに晒したことを明らかにしました。
5月29日には、インド首都のニューデリーの観測点において、45.2-49.1℃と観測史上最高気温が報告されました(1観測地点では52.9℃の例外的な記録が報告され、インド気象局は原因を調べているとのこと)。 気候変動と熱波のインパクトに関する研究は、熱波をモニタリング評価し、リスクに関する実行可能な解決策を示す研究の重要性を示しました。
(文責:情報プログラム 飯山みゆき)