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1004. 地球を救うには2年しか残されていない

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1004. 地球を救うには2年しか残されていない

 

4月10日、ロンドンにて、気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)のサイモン・スティル事務局長が、「我々の地球を救うには2年しか残されていない」、と題した講演を行いました。

講演は「この演題を、大げさな、と思う方もおられるでしょう。まるでメロドラマだとも。」というフレーズで始まり、なぜ我々の地球を救う上で、次の2年が大事なのか、次の理由を述べました。

第一に、記録的な熱波と経済へのダメージを考慮すれば、中途半端な方策で済む余地はありません。第二に、新たなクリーンエネルギー経済における絶対的勝者を決める試合の幕が上がったところです。グローバルな生活水準が絶え間なく変化する中、各国の気候対策の真剣度により、勝ち上がるか或いは途中で脱落するかが決まります。生き残りがかかっているのです。第三に、多くの国にとり、新たに強力な気候プランを実施できるかどうかは、今年中に気候ファイナンスでクォンタム・リープ(量子的飛躍)ができるかどうかにかかっています。第四に、パリ協定の成功に向けた排出削減コミットメントの強化において、とりわけ全排出量の80%に責任があるG20がリーダーシップをとることが、先進国・途上国の協力を推進する上で重要です。第五および最後に、こうしたグリーン経済への移行に全ての国々の市民が参加し、声をあげることで変化を促すべきです。

講演は、今年、アゼルバイジャンのバクで予定されているCOP(締約国会議:Conference of the Parties)29において、途上国のニーズに見合う気候ファイナスへの新たな目標への合意への期待に言及しました。

 

COPは、条約の最高意思決定機関と位置づけられ、すべての条約締約国が参加して温暖化対策の国際ルールを話し合う大規模な国際会議です。COPなど、気候変動の交渉に参加する、国際連合食糧農業機関(FAO)の日本人職員を講師としたセミナーが今週金曜日に開催されます。以下、是非聴講をご検討ください。

 


第8回 JISNAS-FAO 合同セミナー「農業・食料システムと気候変動について―FAOで活躍する日本人職員と話す」開催のご案内(4月26日)

JISNASとFAO(国連食糧農業機関)駐日連絡事務所が合同で開催するオンラインセミナーについてご案内いたします。国連機関や国際組織の持つグローバルな技術的知見は、言語の制約や情報の専門性などにより、日本ではまだ十分活用されていません。そこで、国連の食料・農業に関する専門機関である国際連合食糧農業機関(FAO)の最新情報を日本語で提供する一つの機会として、JISNASとFAO駐日連絡事務所とが連携し、合同セミナーを開催いたします。日本の大学・学生、研究者及び研究機関の皆様方への情報発信とともに、日本とFAOとのより一層緊密な連携を推進するものです。

今回は、FAOで働く現役の日本人職員、気候変動スペシャリストの吉田蒔絵氏より、農業・食料システムと気候変動に関するFAOの最新の動向について、COP28の内容も踏まえ、現場の生の声をお届けします。さらに、国連でのキャリア形成や仕事のつなげ方など、自身の経験などを踏まえ日本語でお話しします。下記のリンクよりご登録ください。皆様のご参加をお待ちいたしております。

日時 2024年4月26日(金)16:00~17:00
開催形式 オンライン形式(Zoomウェビナー)
講演者 FAO 気候変動・生物多様性・環境部 気候変動スペシャリスト 吉田 蒔絵 氏
講演「農業・食料システムと気候変動に関するFAOの最新の動向について(仮題)」

言語 日本語
主催 FAO駐日連絡事務所、JISNAS
参加登録 以下登録リンクよりご登録下さい。
https://fao.zoom.us/webinar/register/WN_Y5DZ7COUQyKWxj5hzacw2g

 

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)
 

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