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547. 栄養価の高い食品の小売価格はコロナ症例数の多い国でより上昇した

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547. 栄養価の高い食品の小売価格はコロナ症例数の多い国でより上昇した

新型コロナウイルスパンデミックが世界の食料や栄養供給に大きな影響を与えてきたことについてはこれまでにも何度か取り上げました。今回は、nature foodに掲載された、食品小売価格との関連についての論文(https://doi.org/10.1038/s43016-022-00502-1)をご紹介します。

新型コロナウイルスのパンデミックは、世界中で生命や生計を脅かし、食品の価格の変動をもたらしました。ただ、さまざまなニュースで一部の食料価格高騰や一時的な食料不足は報告されたものの、概して、農業の生産と流通は極端な不足や政府による配給といった状況には陥らずに機能し続けてきました。

食品市場の分析では取引量の多い少数の卸売商品に焦点をあてることが多いのですが、本論文では、世界中の平均小売食品価格の月ごとの変化から、グローバルフードサプライチェーンのレジリアンスを測定しようと試みています。2019年1月から2021年6月まで、最大181か国の月間小売食品価格を比較し、時間経過に伴う変化について分析しました。

2020年3月以降の全体的な消費者物価指数と比較して、平均食料価格は明らかに上昇しました。さらに、特に新型コロナウイルスの人口当たりの症例数が多い国で、また特に一部の食品群(乳製品、卵、肉、豆類、ナッツ類)で、大幅に上昇していました。これらの食品群は栄養価が高いことも多く、栄養安全保障への脅威となりえます。

また、平均小売価格は必ずしも農産物貿易の国際食糧価格の動きとは一致しないことがわかりました。食品群別に小売価格を分析することは、農産物価格と消費者物価指数のデータを補完し、レジリエンスとショックへの対応に貢献する政策を導くために役立つとされています。

(参考文献)
Yan Bai et al. (2022). Retail prices off nutritious food rose more in countries with higher COVID-19 case counts. Nature food 3, 325-330. https://doi.org/10.1038/s43016-022-00502-1

(文責:情報広報室 白鳥佐紀子)