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462. オイルパーム農園から産出される膨大な未利用バイオマスの価値化技術を通じた持続可能な産業創出
462. オイルパーム農園から産出される膨大な未利用バイオマスの価値化技術を通じた持続可能な産業創出
国際農研の「SATREPSパームトランクプロジェクト」(https://www.jst.go.jp/global/kadai/h3001_malaysia.html)の取り組みが令和4年1月11日の日刊工業新聞7面「成長につなぐ-事例17のゴールズ&169のターゲット」に掲載されました。
国際農研は、(株)IHI、パナソニック(株)などと共同で、インドネシア、マレーシアなど主に東南アジアで生産されるパーム油の製造工程における環境負荷の低減に向けた取り組みを進めています。パームは生産を維持するために約25年ごとに伐採・更新され、その際に大量の古木(OPT)が農園に廃棄されています。日本・マレーシアの産学官連携を基盤に、オイルパーム農園から産出される膨大な未利用バイオマスOPTへの価値化技術を開発し、伐採されたOPTの行き先を作ることで、その伐採後OPTの農園内廃棄に起因する環境問題の解決、引いては持続可能な新しい産業創出や雇用創出を促すのがねらいです。
・パームヤシで油を採取しながらOPTを活用して温室効果ガスの削減に繋がります。
・持続可能性が高く、カーボンニュートラルな燃料や家具材ペレットが製造できます。パナソニック(株)では熱帯林の代わりにOPTペレットを使った中密度繊維板(MDF)による家具材として使用し始められています。(https://news.panasonic.com/jp/press/data/2021/11/jn211115-1/jn211115-1…)
・プロジェクトではOPT以外にもOPF(OPTの葉)、EFB(ヤシ殻)、MCF(ヤシ実繊維)を同一プロセスでペレット化できる「原料マルチ化プロセス」を開発しました。バイオマスが不足しても、他のバイオマスで補完できる原料の安定調達への道を開きました。
日刊工業新聞掲載の記事は、下記をご覧ください。
※日刊工業新聞社の転載承認を受けて掲載しております(承認番号N-22011904)
(文責:生物資源・利用領域 小杉昭彦)