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394. プロジェクト紹介:「研究成果の実用化と事業展開を実現する民間連携モデルの構築」(実用化連携)

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394. プロジェクト紹介:「研究成果の実用化と事業展開を実現する民間連携モデルの構築」(実用化連携)

「実用化連携プロジェクト」は当センターのプログラムCである「戦略的な国際情報の収集分析提供によるセンター機能の強化」に属しています。
これまでに国際農研により創出された研究成果は、対象国の研究機関や行政機関等によって技術普及・定着が図られてきました。しかし、研究成果の迅速な普及や自らの研究活動の発展に貢献した事例は限られていました。

一方、平成31年度に「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律」が施行され、国立研究開発法人発ベンチャーの創出が可能となり、民間企業との連携強化、知的財産のライセンス等を活性化させることをより効率的に推進できるようになりました。

そこで、国内外からの社会ニーズに的確かつ迅速に応えるために、これまで国際農研が共同開発を担った有用エビ類を生産するための「屋内型エビ生産システム」、イチゴやトマトを栽培するための「アジアモンスーンモデル植物工場」、所有している関係ノウハウに関して、その活用をより積極的に技術移転とそれに伴うビジネス展開に関する業務を実施します。

本プロジェクトでは、国際農研の初チャレンジとして、国内外の民間企業等との多様な連携を通じて、対象国・地域に適応する技術の最適化を図ることにより、国際農研が創出した研究成果の普及および研究活動の活性化に資するためのビジネスモデルを構築します。

具体的には、研究成果を社会実装に繋げるための、研究開発プラットフォームを確立します。「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律」に則り、国際農研発ベンチャーの創出、民間企業との共同研究、知的財産のライセンス等を活性化させ、これまで以上に研究成果の社会実装活動を積極的に進めます。本プロジェクトは、次の3つの柱から構成されています:

1)「エビ類の種苗生産技術の商業的展開による閉鎖循環型完全養殖システムの実現と社会実装を促進する知財管理プラットフォームの確立」では、民間企業と共同開発した「屋内型エビ生産システム」 (Indoor Shrimp Production System: ISPS) の国内外展開と新たな種苗生産技術の開発とそのビジネス展開を行います。

2)「アジアモンスーンモデル植物工場」では、アジアモンスーンモデル植物工場によるトマト・イチゴ・パッションフルーツの効率的生産を実現し、技術移転とそのビジネス展開を行います。

3)「研究成果の実用化・社会実装促進支援」では、社会実装の核となる技術や知見が明確な成果を発掘し、国内外の民間企業等による実用性の検証並びに製品化・サービス化等に向けた開発をマネージメント支援します。

以上を踏まえて、これまでにない新しいプロジェクトタイプを立ち上げ、進めることとなりました。国際農研の革新的な知財・ノウハウの活用が大きく期待されます。

文献リスト

1)Kang, B.J., Bae, S-H., Suzuki, T., Niitsu, S., and Wilder, M.N. (2019). Transcriptional silencing of vitellogenesis-inhibiting hormone (VIH) subtype-I in the whiteleg shrimp, Litopenaeus vannamei. Aquaculture, 506: 119-126.

2)Nakayama M. et al., 2021. The effect of greenhouse cultivation under a heat insulation film covering on tomato growth, yield, and fruit quality in a subtropical area. Hort. J. https://doi.org/10.2503/hortj.UTD-249

3)FAO. 2020. FAO Yearbook. Fishery and Aquaculture Statistics 2018/FAO annuaire. Statistiques des pêches et de l’aquaculture 2018/ FAO anuario. Estadísticas de pesca y acuicultura 2018. Rome/Roma. (http://www.fao.org/fishery/statistics/yearbook/en)

(文責:水産領域 マーシー・ワイルダー)
 

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