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355. 国際青少年デー
355. 国際青少年デー
国際青少年デー(International Youth Day, IYD)は国連によって制定された記念日です。
今年は、国連食料システムサミット等、フードシステム関連のイベントが多く企画されていることに合わせ、 国際青少年デー2021年のテーマは、「食料システムの転換:人類と地球の健康に資する青少年のイノベーション」です。
2030年までに、貧困削減、社会的インクルージョン、ヘルスケア、生物多様性保全、気候変動緩和など、持続可能な開発目標の複数の目標を同時に目指さなければなりません。フードシステム転換の一環として生物多様性保全に取り組み、地球の機能を回復していく試みにおいて、若者の力を個人・集団として発揮することが可能となるよう、若者に対する包括的なサポートが必要になります。
人口規模・年齢構成の変化は、多くの国々において経済・社会・地政学的インパクトをもたらします。日本では少子高齢化が進み、出生率の下落傾向が報告されていますが、開発途上国を中心に、世界人口は次の30年間に20億人増えるとされています。
中央年齢(Median Age)はある国の全ての人口の中央に来る値(その値よりも高齢の人々の数と若い年齢の人々の数が一致する)ですが、2015年、世界の平均値は29.6歳でした。日本が最も高く46.3歳、アフリカのニジェールが最も若く14.9歳だったそうです。人口1000人あたりの出生率(Birth Rate)でみても、日本が7.7人であるのに対し、ニジェールは47人を超えます。 アフリカ等の開発途上国では、人口増加率が高い=若者人口が多い、ということになります。
開発途上国において予測されている人口動態は、食料需要の質・量の変化を伴い、フードシステムに大きな影響を及ぼすことが見込まれています。経済成長に伴い外食・中食の機会が増加し、また、女性の社会進出や核家族への移行による生活様式の変化は食事習慣の変化を伴います。現在地球規模で生じている気候変動や環境劣化のトレンドを逆転させるには持続的なフードシステムが必要であり、消費嗜好や行動に影響を与えるライフスタイルの意識的な変化、環境に優しい生産過程、資源利用の効率化、企業の社会的責任を含む、需要・供給双方の転換を必要とします。このため全世代の中でも、とくに次世代を担う青少年は、持続的な社会を構築していく上で、重要な役割を果たしていくことが期待されています。
(文責:情報プログラム 飯山みゆき)