研究成果情報 - ベトナム
国際農林水産業研究センターにおける研究成果のうち、成果が特に顕著で、広く利用を図ることが望ましいと考えられる成果を要約してご紹介しています。
- 途上国を対象とした農業の総合研究における国際共同の推進方策(1998)
メコンデルタのように情報の蓄積が少ない地域を対象に国際共同による総合研究を行う場合、コーディネーターに情報を集中するとともに関係者の自由な参加の国内支援グループによる、具体的な目標設定、計画作成、評価及び広報が必要である。
- 南米における大豆の不耕起栽培技術の改善方向(1998)
南米において急速に普及しつつある大豆の不耕起栽培技術の問題点を解析し、今後の改善方向を提示した。土壌下層の物理生・化学性改良、土壌伝染性病害の制御及び除草剤の軽減などが今後の重要な改善方向である。
- ブラジルの大豆関連産業を中心とした産業連関分析(1998)
1995年ブラジル産業連関表を基に、産業連関分析手法を用いて、ブラジル大豆関連産業の経済的地位が大きいこと、大豆製品の輸出需要が国内経済に及ぼす付加価値(GDP)誘発額が大豆のそれより大きいこと等を計量的に示した。
- 硝化を抑制する熱帯イネ科牧草(1998)
熱帯イネ科牧草の一種であるBrachiaria humidicolaは、土壌中のアンモニア酸化細菌の増殖を特異的に抑制することにより、硝化作用を抑制し、土壌から発生する亜酸化窒素の量を著しく減少させる。
- 乾燥地で作物生育を促進する溝底播種(1998)
土壌面の溝底では、土壌水分の減少と塩類集積が遅れ、地温の日変化が抑制される。そのため、乾燥地で深さ5cm程の溝底に播種すると、作物の発芽・生育が促進される。
- ベトナムに分布するイネいもち病菌およびイネ白葉枯病菌の病原性(1998)
ベトナムのメコンデルタを中心に、イネいもち病菌、及びイネ白葉枯病菌を収集し、病原性特性(レース)を明らかにすると共に,それらに対する低抗性遺伝子源の検索を行った。いもち病ではPish, Piz-t 及び Pik-p が、また、白葉枯病ではxa-5, Xa-7, Xa-17が、それぞれ低抗性遺伝子源として有効と考えられた。
- タイ産ショウガ科食用植物に含まれる抗変異原成分の単離・同定(1998)
熱帯産食用植物の生理機能性について調査を行い、2種類のタイ産ショウガ科食用植物フィンガールート(Bosenbergia pandurata Sch1.) 及びガランガ(Languas galanga)に強い抗変異原性があることを見出し、有効成分を単離し構造を推定した。
- ベトナム・メコンデルタにおける豚回虫の感染状況と駆虫の経済効果(1998)
ベトナム・メコンデルタで飼養される豚について豚回虫(Ascaris suum)の感染状況を明らかにするとともに、駆虫の経済効果について検討した。駆回虫感染豚を駆虫群と無駆虫群に分け、増体重を比較したところ、駆虫群では体重80kgに達する期間が約2週間短縮された。その経済効果は1頭当たり約200円と見積もられた。
- インドネシア・スマトラ島における移住事業後のゴム林地の所有形態の変化(1998)
インドネシアの移住事業は移住地周辺の地元社会に大きな影響を与えた、移住事業の中心地であるスマトラ島では、地元旧往民の主な収入源はゴム林であるが、多くは森林を開拓して造成したものであった。移住地建設よって地元住民の利用可能な森林が制限されたことにより、地元村内におけるゴ払林地の売買が活発化し、ゴム栽培農家の階層分化が進行した。
- マングローブ林のリター量(1998)
マングローブ林に落下する葉や枝などのリター量を持続的なマングローブ林が経営されているマレーシアのマタンにおいて測定した。マタンのマングローブ林は植生の違いによって3タイぷに分けられたがリター量もこれに応じて異なっていた。また、潮の満ち引きによって、海に持ち去られるリター量も水位によって異なっていた。
- 中国産淡水魚を用いた冷凍すり身の開発(1998)
中国産淡水魚のすり身を開発するため、魚肉タンパク質のゲル形成性を調べた。魚種によってゲル形成性は異なるが、適切な加熱条件を選択することによって、主要魚種であるハクレン、コクレン、草魚は冷凍すり身原料として利用できることを明らかにした。
- 短日による日本稲の部分不稔の発生とその要因(1998)
石垣島の水稲二期作および三期作において「日本晴」よりも晩生の多くの品種で部分不稔が発生する。この不稔は短日条件により葯が短縮し花粉数が減少するため生じるとみられる。
- アズキ近縁野生種におけるアズキマメゾウムシ抵抗性系統の発見(1998)
東南アジアに分布するアズキ近縁野生種のアズキマメゾウムシの食害抵抗性を検定したところ、Vigna hirtella と V. trinervia とV. umbellata においてアズキマメゾウムシの食害に対して抵抗性を示す系統が発見された。
- 糸状菌の一種に感染した暖地型イネ科牧野草の害虫に対する摂食阻害作用(1998)
石垣島において、暖地型イネ科植物15草種において糸状菌の1種 Ephelis sp.の感染が確認された。これらの車種のうちパンゴラグラスにおいては、アワヨトウ幼虫およびマダラバッタ成虫が感染葉よりも非感染葉をより好んで摂食した。
- カンキツグリーニング病の抗血清診断法(1997)
り病カンキツ葉の中肋を酵素処理して、し部組織を取る。その組織を磨砕・分画遠心後、最終沈殿をNaCl溶液(中肋重量の40倍濃縮)に懸濁する。この試料1滴を、本病原菌抗血清1滴に滴下する。この微滴法によって、明瞭な陽性診断ができる。
- マングローブ汽水域における稚幼魚の生産機能の解明(1997)
マングローブの開発度合の違いに応じた汽水域での魚類生産の差異をインドアイノコイワシ類を例に比較検討した結果、政府の適正な管理下にあり、マングローブの被覆面積の大きいマタンが、マングローブの乱開発が進み消失の激しいメルボックより4~5倍生産性が高いことが示された。
- ベトナム・メコンデルタの水稲栽培における問題点と改善方策(1997)
メコンデルタの水稲栽培はファーミングシステムの基幹であり、2期、3期作等の新技術導入により生産性は向上しつつあるが、雨季作はいまだに不安定である。葉色などによる生育診断と、窒素施用法や水管理の改善により、倒伏が回避され、生育・収量の安定化が可能である。
- ドイモイ政策下のベトナム・メコンデルタにおける農業構造変動(1997)
ベトナム・メコンデルタでは、1988年以降、ドイモイ政策により市場経済が導入される中で、農家の階層分化が顕著に進行している。急速に規模拡大する農家、規模を縮小し土地無し層に転落する農家が存在する一方、2ha未満の中小規模層には、複合経営を取り入れて、経営の安定化を図る動きも認められる。地域単位での複合化を目指す必要がある。
- ニューラルネットワークを用いた植生変動評価手法の開発(1997)
オーストラリア中央部に位置するKunoth Paddockを対象地域とし、土壌・水系・植生・地貌・傾斜・水飲み場からの距離・丘陵地からの距離の7要因から、植生の多寡と変動の程度を推定する2種類のニューラルネットワークモデルを開発した。さらに、両評価結果を統合した植生変動評価図を作成した。
- 衛星データによるインド・デカン高原中央部における農地利用度把握手法の開発(1997)
衛星データから計算される植生指数値は、土地利用毎に異なった季節変化を示す。インド半乾燥地域を対象とした場合、雨季後の作期(ラビー期)後半において植生指数値により農地と他の用途との区別が可能となる。こうした特性を利用し、年々の農地利用の空間分布を推定する手法を開発した。さらに、農地分布と自然条件との対応関係を解析した。