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254. 栄養問題と栄養素についての紹介

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食べものは必要?と聞かれて、必要ないという人はいないでしょう。ではなぜ食料が必要なのでしょうか。それは人間が生きていくために、また健康な生活を営むためには、必要な栄養素を外部から摂取する必要があり、それは殆どの場合食料を通して得られるからです。そして、食料を効率的に得るために人為的に生み出されたシステムこそが農業であり、農業の本質的な役割とは栄養を供給することであるとも言えます。農業と栄養とはリンクしているという前提を踏まえて、栄養問題と栄養素に関して簡単に紹介します。


「栄養不足」「微量栄養素不足」などの栄養不良は、健康状態そのもの以外にも、身体や脳の発達の遅れなどで教育を得る機会を失う、労働生産性が低くなり給料が抑えられるなどの影響も及ぼします。「栄養過多」は非感染性疾患(NCDs)の原因ともなりえます。栄養不良問題を抱えていない国は1つも無いと言われるほど、深刻で広範囲に及ぶ問題です。多くの取り組みがなされていますが、なかでも今年12月には、栄養改善に向けた国際的取り組みを喚起するための東京栄養サミットNutrition for Growth (N4Gサミット2021)が開催され、日本はホスト国として重要な役割を果たすことが期待されています。

人間は必要なエネルギー量を得るために、また体の組織を作ったり、体の機能を整え調子をよくしたりするために栄養素を使います。必須栄養素にはエネルギーのもとになる糖質・脂質・タンパク質(三大栄養素)、さらに体の調子を整えるビタミン・ミネラル(微量栄養素)があり、それぞれ違った働きをします。また、通常の身体機能を維持するためには必須ではなくとも、フィトケミカルと呼ばれる、抗酸化作用や免疫力向上など健康に良い効果がある機能性成分も存在します。

栄養素供給には量と質の側面があり、それぞれの栄養素について過不足が無いことはもちろん、さまざまな栄養素が補い合って働いているため、栄養バランスがとれていることも重要です。そのため、複数の食品をバランスよく摂取することがのぞまれます。

詳しくは、一般社団法人畑地農業振興会が発行する『畑地農業』2021・747号「栄養問題と栄養素の基礎知識」をご覧ください。

参考文献
『畑地農業』2021・747号、pp.21-25

(文責:研究戦略室 白鳥佐紀子)
 

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