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250. コロナと現場主義の国際共同研究

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新型コロナウイルス感染症COVID-19がパンデミックと宣言されて以来、国際協力活動を行う関係者にとり、海外出張が難しい状況が続いています。地球規模課題の解決のためにアジア・アフリカ・ラテンアメリカ諸国との国際共同研究を通じた農林水産業技術開発をミッションとする国際農研も例外ではありません。 

国際農研は昨年創立50周年を迎えましたが、長年にわたる現地での国際協力を通じて培われた信頼関係により、現地のパートナーに実験やデータ収集を委託したり、オンライン会議を通じて緊密な連携をとるなど、withコロナの国際協力体制を模索しているところです。

マダガスカルの例を挙げます。昨年来、つくばの研究者と現地のチームはオンラインで常に連絡をとり、現地の研究活動を継続するための連携体制を整え、コメの収量向上につながる技術の普及に必要なデータ収集を続けてきました。2021年2月26日には、マダガスカルの農業畜産水産大臣、内務大臣、高等教育科学技術省事務次官(大臣代理)、ヴァキナカラチャ県知事、在マダガスカル全権大使などが私たちの活動サイトを視察し、国際農研とマダガスカルとの国際共同研究の様子が広く取り上げられました。このように、コロナ禍で現地にいけない状況が続く中でも、得られた成果を発信し、多くの農民に技術を普及させる準備が着実に整いつつあります。

とはいえ、国際農研の50年間の経験に基づく最大の強みは、現場におけるパートナーとの共同研究というアプローチにあり、ポストCOVID-19時代においても現場主義を貫く予定です。国際農研は、COVID-19が一日も早く収束することを願い、アフリカ・アジアそしてラテンアメリカの大地で、現地のパートナーとともに働く日を待ち望んでいるところです。

(文責:生産環境・畜産領域 辻本泰弘、研究戦略室 金森紀仁)

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