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162. 世界銀行報告書 食品ロスへの取組

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現在、世界で生産される食料の3分の1は無駄になっていると言われており、food loss(小売や消費者に届く前の損失)やfood waste(小売りや消費者に届いてからの廃棄)の削減が重要です。

世界銀行は9月28日、報告書「食料の損失・廃棄への取組み:地域独自の施策でグローバルな問題に立ち向かう(Addressing Food Loss and Waste : A Global Problem with Local Solutions)」を発行しました(プレスリリース)。この報告書では、今後30年以内に30億人増加すると言われる人口が必要とする栄養のニーズを満たしつつ、フードシステムがもたらす環境負荷を低減することに、食料の損失(loss)や廃棄(waste)の削減が貢献する可能性があると指摘しています。

1900年には16億人だった人口が2020年には80億人近くに増加しましたが、これまで主要な主食作物の生産を増加させることで食料を賄ってきました。しかしこれからは持続可能な解決策が望まれ、現在のフードシステムを変革する必要があります。現在のフードシステムは環境負荷を反映しておらず、さらに政府の補助金などもあるため、食品の価格がおそらく低く設定されすぎており、それが食品ロスにつながっています。食品ロスを減らすことは環境負荷低減と食料安全保障に貢献しますが、ではサプライチェーンのどの段階でどうやってロスを減らすべきかというのは、その国々特有の状況によります。食品ロスを効果的に削減できる提案につながるような、状況を実証的に分析する研究が必要とされています。

参考文献

World Bank. Addressing Food Loss and Waste : A Global Problem with Local Solutions. https://openknowledge.worldbank.org/handle/10986/34521 accessed on Oct 26, 2020.

世界銀行 プレスリリース  https://www.worldbank.org/ja/news/press-release/2020/09/28/cutting-food…   accessed on Oct 26, 2020.

(文責:研究戦略室 白鳥佐紀子)

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