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113. 世界銀行:食料安全保障と新型コロナウイルス感染症

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックのもとで、移動規制や所得機会の損失によっても、農業ビジネス・市場での十分な食料供給・人々による十分な食料入手手段が滞ることがないよう、各国や国際機関は努力を行っています。世界銀行は、刻々と変わる農業・食料事情について、世界銀行やパートナーによる情報を更新・提供しています。

これまでのところ食料貿易は貿易全体の中でも強靭性を示し、世界農業市場は安定性を保持しています。世界でも最も消費される主食作物(コメ、小麦、メイズ)の生産は史上最高水準にあります。しかし、農村所得源である商品作物の中には、世界需要の消失により価格低迷に直面しているものもあります。

コロナウイルス感染拡大につれ、国内食料サプライチェーンが分断され、食料生産へのショックや所得・送金の喪失が食料安全保障上の緊張をもたらしています。世界食料価格が比較的安定して推移しているのに対し、COVID-19対応策に起因する食料価格インフレーションに直面している国々もあります。

さらに、需要の制約や消費パターンのシフトにより、食料生産者は栄養に富む生鮮食品において莫大なロスを被っています。食料安全保障の危機は食料不足から生じているのではなく、化学肥料や種子・労働不足などの投入財供給の寸断によって、来期以降の収穫に影響を与えることが問題です。農民が飢えに直面し、作付用の種子を確保するよりも当面の食料を優先する場合、食料不足の懸念が後日に持ち越されることになります。

 

参考文献

World Bank, Food Security and COVID-19 BRIEF August 7, 2020. https://www.worldbank.org/en/topic/agriculture/brief/food-security-and-…

(文責:研究戦略室 飯山みゆき)