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アフリカ緑の革命のための同盟(AGRA)「アフリカ農業年次報告2018~政府の力で農業構造改革を推し進めよ~[Catalyzing Government Capacity to Drive Agricultural Transformation (Issue 6)」の概要

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農業生産の低迷は、農家所得の停滞、農村貧困の拡大をもたらし、大都市への人口集中による社会的ひずみを招いてきた。アフリカ諸国のリーダーの多くは如何に農業成長を加速化させるかに関心を抱いている。農業成長の加速化のために、小規模販売農家の生産性改善が不可欠である。本書で定義する小規模販売農家は、大規模農家ではないが、自家消費生産を満たした上で、農業生産の30%以上を販売し(2017年AGRA報告書では50%と定義されていたのよりも広く定義する)、商業的生産のためのリスクをとり、資本投下を行う余力を持ち、農村貧困削減の起動力となりうる農家を指す。農業部門成長の加速化の道筋をつけるために、農家への技術的支援にとどまらず、国際機関・民間部門との協調をとりまとめ、制度整備・投資・政策策定において、農業省を中心とした政府機関が果たすべき役割は大きい。政策の優先順位として、まずは経済性が証明され農民が直ぐに着手できる技術革新に焦点を当て、十分な肥料と改良品種の供給を保証し、小規模販売農家のニーズにあった金融支援を行うべきである。

本書は、農業構造改革の促進という政策ビジョンを実現する上で、政府のプロジェクト形成・実施能力を強化する方法について論じている。また、政府と開発パートナーが、民間セクターや小規模農民を支援し、市民社会・開発パートナーとの連立を可能にする方法について論じ、アフリカにおける包括的な農業・経済構造改革を実現するための指針を提示する。

 より詳しい内容に関しては、以下の報告書原文を参照のこと

AGRA. (2018). Africa Agriculture Status Report: Catalyzing Government Capacity to Drive Agricultural

Transformation (Issue 6). Nairobi, Kenya: Alliance for a Green Revolution in Africa (AGRA)

なお、概要に関する本翻訳は、AGRAから公式に承認を受けたものではなく、翻訳上の誤りなどの責任は文責にある。

(文責:研究コーディネーター  飯山みゆき)

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