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1525. マルチハザード環境における災害リスク:人間開発水準と被害の関係を分析

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1525. マルチハザード環境における災害リスク:人間開発水準と被害の関係に関する研究

 

洪水、暴風、干ばつ、熱波などの気候関連ハザードは、気候変動の進行に伴い、世界各地で発生頻度や影響の拡大が指摘されています。これらの災害リスクは、ハザードの強度に加え、人口分布、社会経済条件、適応能力などの要因によって大きく左右されます。

Nature Communications誌に掲載されたTeberら(2026)の研究では、国際災害データベース(EM-DAT)に登録された1990年から2020年までの7,061件の気候関連災害を対象に、洪水、暴風、干ばつ、熱波、土砂災害など複数の災害タイプについて分析が行われています。本研究では、国レベルではなく地域レベルの人間開発指数(subnational Human Development Index: sHDI)を用いて、災害被害との関係が評価されています。

その結果、研究では、人間開発水準の低い地域ほど、人的被害および経済被害の相対的なリスクが高い傾向が示されました。例えば暴風災害においては、人間開発水準の低い地域における致死的影響のリスクは、人間開発水準が非常に高い地域と比較して約8倍高いと推定されています。また、洪水や暴風に関しては、同程度のハザード強度であっても、人間開発水準の低い地域の方がより大きな被害が発生する傾向が確認されています。

さらに、過去30年間において、世界全体の災害による致死率は低下しており、特に洪水災害に対する脆弱性の改善が示されています。一方で、人間開発水準の低い地域では、依然として高い被害リスクが残されていることも報告されています。

以上の結果について著者らは、マルチハザード環境における災害リスクを評価には、ハザード強度に加えて、地域ごとの社会経済条件や適応能力を考慮することが重要であると指摘しています。また、将来的な気候変動リスク評価や適応策の検討においても、地域レベルでの脆弱性評価が重要であるとしています。

 

(参考文献)
Teber, K., Sippel, S., Krause, M. et al. Inequality in human development amplifies climate-related disaster risk. Nat Commun 17, 5067 (2026). https://doi.org/10.1038/s41467-026-73873-9

(文責:戦略統括室 飯山みゆき)
 

 

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