Pick Up

1419. グローバルリスク2026

関連プログラム
情報

 

1419. グローバルリスク2026

 

世界経済フォーラム(WEF)が毎年公表する「グローバルリスク報告書Global Risks Report 2026」は、過去数年の報告書と比較し、短期的には環境リスクが後退し地政学的(Geopolitics)、経済的、地経学的(Geoeconomics)*リスクなどの非環境リスクの優先順位が高まった一方、10年間の長期的な見通しでは環境リスクは依然最も深刻なリスクとして認識されていることを示しました。


今年の調査の結果は、昨年と比較して短期的な懸念が高まっていることを示しており、2026年に重大な世界的危機を引き起こす可能性が最も高いリスクとして、回答者の18%が地経学的対立(Geoeconomic confrontation)を挙げ(昨年より2つ順位が上昇)、これに続き、回答者の14%が国家による武力紛争(State-based armed conflict)を選択しました。今後2年間の見通しでは、環境リスクの大部分で順位が下がり、異常気象(Extreme weather events)は2位から4位に、汚染(Pollution)は6位から9位にランクを下げ、地球システムの重大な変化(Critical change to earth systems)と生物多様性喪失および生態系崩壊(Biodiversity loss and ecosystem collapse)もそれぞれ7位と5位に後退しました。一方、今後 10 年間、環境リスクは最も深刻なリスクとしての順位を維持し、異常気象を筆頭とし、生物多様性喪失および生態系崩壊、地球システムの重大な変化、がトップ3を占め、上位 10 のリスクの半分が環境に関連するものとなりました。 とりわけ、調査対象となった具体的なリスクの中で、生物多様性の喪失と生態系の崩壊は、2年見通しから10年見通しにかけて深刻度スコアが最も急激に悪化したリスクです。


保護主義、戦略的産業政策、そして重要なサプライチェーンに対する政府の積極的な影響力の行使は、世界の競争が激化していることを示しています。より内向きで敵対的な政策へのシフトが進むにつれ、多国間主義の将来に対する不確実性はますます高まっています。各国が集団行動よりも自国の利益を優先するにつれ、気候変動、地球規模の健康、経済の安定といった共通の課題に立ち向かう国際社会の能力、そして国内の繁栄と安定に必要な地域的成長を生み出す能力について、喫緊の課題が浮上しています。

今回の調査で浮き彫りになった課題――地政学的ショック、急速な技術変化、気候変動の不安定性、経済の不確実性、そしてそれらが社会に及ぼす集合的な影響――は、世界が直面するリスクの大きさと、未来を形作るという共通の責任の両方を浮き彫りにしています。報告書は、たとえ競争の中にあっても、各国が戦略的協力を選択すれば、秩序を再構築できることに期待を寄せています。

 

*地政学(Geopolitics)は、地理的要素が国家の政治・経済的な力関係や対立にどのように影響するか現状分析に重点を置く一方、地経学(Geoeconomics)は、経済的要素が国家の政治・経済的な力関係や対立にどのように影響するかを政策の実践に焦点を当てます。

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

関連するページ