Pick Up
1178. グローバルリスク2025

1178. グローバルリスク2025
世界経済フォーラム(WEF)が毎年公表する最新の「グローバルリスク報告書Global Risks Report 2025」によると、2024年の主要な懸念事項の多くを引き継ぎつぐ一方、リスク認識に関する顕著な変化も浮き彫りになっています。
今年の5大リスクは、以下の通りです。
国家による武力紛争
ウクライナ、中東、スーダンでの戦争は、かつてないほどの不安定さをもたらし、武力紛争を世界のリスクリストのトップに押し上げています。昨年9位にランクインしたこの問題は、現在1位を占めており、調査対象となった専門家の約4分の1が最大の懸念事項として挙げています。
異常気象
化石燃料の使用の増加により、洪水、山火事、暴風雨の頻度と深刻さが増しています。専門家は、2023年の気象関連の損害4,510億ドルのうち、1,430億ドルは気候変動に直接起因していると考えています。
地政学的な対立
貿易戦争から関税まで、保護主義的な貿易政策の台頭は、世界経済の不確実性の高まりを反映しています。このリスクは、経済の緊張の高まりと、それが国際協力を混乱させる可能性を浮き彫りにしています。
誤情報と偽情報
テクノロジーの進歩は、虚偽の情報の拡散を加速させ、市民の不安を助長し、情報の自由な流れを脅かしています
社会の二極化
政治的分裂と不平等の拡大は、制度への信頼を損ない、共有価値を分断しています。この二極化の深化は、世界中の社会的結束の基盤を弱めています。
長期的な見通しでは、依然、環境リスクが大半を占めており、異常気象、生物多様性の喪失と生態系の崩壊、地球システムの重大な変化、天然資源の不足が、10年先のリスク・ランキングを占めました。異常気象は、即時・短期・長期のリスクとして指摘され、長期リスクの5番目にランクした環境汚染に関しては、短期的にも6位にランクインし、大気・水・陸域にわたる様々な汚染物質の健康と生態系への深刻な影響に対する認識が高まっていることを反映しています。
(文責:情報プログラム 飯山みゆき)