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1074. 新たな農業食料技術の可能性
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1074. 新たな農業食料技術の可能性
食料システムは世界中で様々な課題に直面しています。食料システムが直面する温室効果ガス排出、生物多様性喪失、不平等、といった課題に対応しなければ、増え続ける世界人口に十分な食料を供給する機能が損なわれかねません。
国連開発計画(UNDP)の報告書によると、近年、技術イノベーションが急速に進展しています。 ‘新たな農業食料技術(novel agrifood technologies)’には、従来の農業の効率性および生産性改善に貢献しうる、幅広いイノベーションや手法が含まれます。新たな農業食料技術の中には、都市環境や砂漠など、これまで考えられなかったような環境での農業生産を可能にするイノベーションもあります。
- 熱分解や嫌気性処理法による食料廃棄物削減
- 植物性・発酵・細胞培養による代替たんぱく質源
- 飼料サプリメント、モニタリング、ワクチン、ゲノミックス、循環型養殖システムなどの家畜養殖技術向上
- バイオ肥料・バイオ農薬・バイオスティミュラント等の作物用改良資材
- オンライン農家市場、トレーサビリティのためのブロックチェーン、スマート包装など、サプライチェーン技術
- ゲノム編集など作物改良技術
- AI等を用いた精密農業
UNDPは、こうしたイノベーションが、食料安全保障、生活向上、貧困撲滅、気候変動の解決に貢献するとし、とりわけ低中所得国における最適な普及・展開を促進する政策環境の策定の必要性を訴えました。
(参考文献)
UNDP (2024) Addressing Climate Change, Poverty, & Hunger with Agrifoodtech
https://www.undp.org/policy-centre/singapore/publications/addressing-cl…
(文責:情報プログラム 飯山みゆき)