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952. 2024年1月 世界食料価格動向

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952. 2024年1月 世界食料価格動向

 

国連食糧農業機関(FAO)は、2月2日、世界食料価格動向を公表しました。2024年1月の値は平均118.0ポイントで、砂糖価格上昇を打ち消す穀物・食肉価格の下落を反映し、前月から1.2ポイント(1.0%)下げました。価格指標は前年比で13.7ポイント(10.4%)低い値をとりました。

穀物価格指標は1月に120.1ポイントと、前月比で2.2%下落、前年比で18.6%低い水準でした。小麦輸出価格は、輸出国間の競争と南半球からの供給を受けて下落しました。世界メイズ価格はアルゼンチンでの生産好況とアメリカからの供給増による生産見通しの改善を受けて急落しました。対照的に、コメ価格は1.2%上昇、タイ・パキスタンからの配送ペースとインドネシアからの追加購入を反映しました。

植物油価格指標は前月比で0.1%と微増しましたが、前年比で12.8%低い水準にとどまっています。パーム油とヒマワリ油の堅調な価格がダイズ・なたね油の下落を相殺しました。パーム油価格は主要生産国の季節的供給の落ち込みとマレーシアの悪天候を受け、若干上昇しました。この間、ヒマワリ油価格はトルコからの輸入需要を受けて微増しました。対照的に、国際ダイズ・なたね油価格は、南米からの大量供給の見込みと欧州における供給のだぶつきを反映して下落しました。

1月の砂糖価格は、前月比で0.8%増、前年比で15.9%高い値をとりました。この背景に、ブラジルでの少雨が4月以降の収穫にもたらす影響への懸念に合わせ、タイとインドにおける新規植付の遅れによる生産見通しの悪化がありました。一方、ブラジルで終わったばかりの収穫による大量供給とエタノール販売のからの低リターンに加え、対米ドルでのブラジル通貨安により、価格上昇圧力も限られました。


(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

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