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884. 国際農研育成のサトウキビ品種がタイ国の奨励品種に採用     ―バガスを利用したバイオエネルギー等の増産が期待―

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884. 国際農研育成のサトウキビ品種がタイ国の奨励品種に採用
―バガスを利用したバイオエネルギー等の増産が期待―


国際農研とタイ国農業局コンケン畑作物研究センター(以下、「KKFCRC」)が共同で育成した、バガスの生産性が高いサトウキビ品種「TPJ04-768」が、タイ国の奨励品種「DOA Khon Kaen 4」(ディーオーエー コンケン4、以下、「KK4」)として採用されました。タイ国のサトウキビ産業において、日本との共同研究の成果が奨励品種に採用されることは初めてのことです(国際農研プレスリリース:https://www.jircas.go.jp/ja/release/2023/press202315)。

「KK4」は、製糖用サトウキビとタイ国内に自生するサトウキビ野生種との種間交配を利用して育成した品種であり、株出し栽培での生産性が優れています。また、現在の普及品種「KK3」と比べて、砂糖の収量は同程度ですが、繊維含有率が高いため、バガスを1.5倍程度多く生産できます。

本品種の利用により、株出し栽培の収量が低い圃場の生産性を改善するとともに、砂糖を生産しながら、より多くのバガスも生産することで、食料生産と競合しないバイオエネルギーの増産が可能になります。この度、「KK4」がタイ国の奨励品種に採用となったことで、タイ国農業局が種苗を毎年生産する体制が整備され、生産を希望する農家や製糖工場への種苗配布が始まることから、同品種の広域的な普及促進が期待されます。


(参考文献)
・国際農研プレスリリース:https://www.jircas.go.jp/ja/release/2023/press202315
・国際農研 国際農林水産業研究成果情報:https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2015_b10

 

(文責:寺島義文、熱帯島嶼研究拠点)


 

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