海外連絡拠点
GMS WGA-10への参加
GMS(Greater Mekong Sub-region:拡大メコン地域)-WGA(Working Group on Agriculture)は、メコン川流域6ヶ国(カンボジア、中国、ラオス、ミヤンマー、タイ、ベトナム)の地域経済協力促進を目的として、1992年にADB(アジア開発銀行)が主導して発足しました。GMSの下には、分野別のワーキンググループがあり、農業分野におけるGMSとの協力を議論する場として、WGAが2002年に設けられています。 この度、第10回農業ワーキンググループ(WGA-10)が、4月2-4日に、ラオス北部のシェンクワンで実施されました。今回のWGA-10は、GMSの第19回環境ワーキンググループ年次会合(WGE-19)と合同で実施され、「GMSにおける貧困解消のためのグリーン・バリューチェーン構築」を主要テーマとして開催されました。 会議では、2011-2015年を対象期間とするGMSの農業開発計画であるCASP (Core Agricultural Support Program)フェーズIIで実施中のプロジェクトのレビュー、CASP-IIの支援に関するドナー機関の意見交換などが行われました。 JIRCASからは、小規模農家における食糧自給と商業的農業の両立を目標としてラオスで実施しているインドシナ農山村プロジェクトや、メコンデルタでバイオガスダイジェスターの導入によるCDM事業やAWD(Alternate Wetting and Drying)導入が稲作収量に及ぼす影響の評価を実施している気候変動対応プロジェクトの概要を紹介しました。 またADBから、CASP-IIで実施検討中のプロジェクトとして、化学肥料の不適切な利用によるGHG排出削減を目的とする窒素循環プロジェクトが計画中であることが紹介され、これに対し、JIRCASは本分野に多くの研究実績を持ち、プロジェクトが実現した際は、技術情報の提供等で協力する用意がある旨呼びかけました。 会議には、GMS6ヶ国及び関係する国際機関(ADB、FAO、IFAD他)、有機農業、フェアトレード、エコツーリズムなどグリーン・バリューチェーンに関する事業を行っている企業、NGOの代表ら計142名が参加しました。 GMS WGA10-WGE19参加者(ADB提供)