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133. 産業部門及び運輸部門からのCO2排出をゼロにする上で再生可能エネルギーは中心的な役割を果たす

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9月9日、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)から新たなレポート「再生可能 エネルギーによる排出ゼロの達成」の概要版が公表されました。エネルギー転換 によってCO2の排出削減が順調に行われた場合、2050年には産業と運輸の7つの セクター(製鉄、化学、セメント、アルミニウム、航空、海運、長 距離貨物)がエネルギー起源全排出の38%を占めると予想されています。1.5度目標 の達成を図るためには、これら脱炭素化が困難な部門からの排出の削減も不可欠であり、そのためには再生可能エネルギーが中心的な役割を果たします。

IRENAの報告書「世界の再生可能エネルギーの展望」では、パリ協定に掲げられた2度目標を達成するために必要な世界のエネルギー転換のシナリオを提示しています。今回の報告ではさらに1.5度目標を達成するための道筋として、2060年までにエネルギー起源の排出をゼロにするための「より大規模な脱炭素化」のオプションを示しています。

排出ゼロの実現には、エネルギー起源の排出だけでなく、産業プロセスでの排出も完全に消滅させる必要があり、コスト競争力を強める再生可能エネルギー由来のエネルギーキャリアの導入を加速化させなければなりません。

産業部門のCO2排出は、全排出量の約3分の1を占めており、特に製鉄、化学、セメント、アルミニウムの4つの重工業部門で全体の21%になります。国際的な協力を進め、先進的なデモンストレーション・プロジェクトの海外展開を図ることにより、排出ゼロを実現することは可能です。

運輸部門のCO2排出は全体の約4分の1弱を占めており、航空、海運、長距離貨物が全体の11%になりますが、バイオ燃料、水素、合成燃料への転換と電化の促進を組み合わせることにより、排出ゼロを実現することは可能です。

排出ゼロの達成の報告書(全文)はClean Energy Ministerial及びMission Innovationにおけるイベント(9月21日)にて発表予定です。

参考文献

https://www.irena.org/newsroom/articles/2020/Sep/Renewables-at-Heart-of…

(文責:研究戦略室 増山寿政