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1447. 気候変動はコーヒー栽培地域にも迫っている
1447. 気候変動はコーヒー栽培地域にも迫っている
コーヒーは世界で最も人気のある飲み物の一つです。しかし、近年、世界のコーヒー価格は変動が激しく、2024年12月と2025年2月に記録的な高値に達しました。米国では、ブラジル(米国のコーヒー豆の約3分の1を供給)からの輸入関税も、この1年間のコーヒー価格高騰の一因となっています。しかし、世界のコーヒー生産地域(「ビーンベルト」)における異常気象も、近年のコーヒー価格高騰の少なくとも一部に関係している可能性が指摘されています。
独立系調査団体であるClimate Centralは、世界の主要なコーヒー生産地域では人為的な気候変動の影響で猛暑日が年々増加していることを指摘しました。
コーヒーノキは、特定の気温と降雨量の範囲で生育し、最適な条件が整わないと、コーヒー豆の収穫量と品質に悪影響を与える可能性があります。Climate Centralによると、30℃(86℉)を超える気温は、主要品種であるアラビカ種コーヒーノキにとって「極めて有害」であり、残りの大部分を占めるロブスタ種にとっては「最適とは言えない」とのことです。
分析によると、世界のコーヒー生産量の97%を占める25カ国では、2021年から2025年の間に、コーヒーに悪影響を与える猛暑日が平均で47日増加しました。世界のコーヒー生産量の75%を占める5カ国(ブラジル、ベトナム、コロンビア、エチオピア、インドネシア)では、同じ期間に同様の猛暑日が57日増加しました。
気候変動により、猛暑がさらに深刻化し、降雨パターンが変化し、耕作可能な土地面積が縮小するにつれ、農家は適応を迫られています。コーヒー生産者の多くは小規模農家で、生計をコーヒーという単一作物に依存しているため、気候変動による農業への影響に対して特に脆弱です。
気候変動により、将来のコーヒー栽培範囲が変化する可能性が指摘されています。現在のコーヒー栽培地域は、特に熱に弱いアラビカ種にとって、時間の経過とともに温暖になりすぎる可能性がある一方、標高や気温のために以前はコーヒー栽培に適していなかった地域が、温暖化が進む世界では適地になる可能性があります。これは新たな地域での経済機会の創出につながる可能性がありますが、同時に、農家がコーヒー栽培に適した高地(涼しい)の農地を求めることで、森林伐採につながる懸念もあります。
(文責:情報プログラム 飯山みゆき)