Pick Up

1380. 主要作物の輸出制限動向

関連プログラム
情報

 

1380. 主要作物の輸出制限動向

 

相互依存度の高い世界の農業食料システムにおいて、主要作物の輸出制限は不確実性を増幅させ、輸入依存国への価格圧力を高める可能性があります。市場のボラティリティを低減し、タイムリーな政策対応を可能にするためには、これらの措置を継続的に監視することが不可欠です。 

OECDおよび農業市場情報システム(Agricultural Market Information System -AMIS)は、2007年1月まで遡り、主要作物(トウモロコシ、米、大豆、小麦)に対する輸出制限を追跡調査してきました。最新のデータベース更新に基づく最近のOECDの報告書は、2024年1月から2025年6月までの輸出制限の傾向を分析しています。

2024年1月から2025年6月までの新規または継続中の制限の約85%は、アルゼンチン、インド、ロシア連邦、ウクライナの4カ国によるものでした。この期間中、米が最も対象となった主食作物であり、輸出制限の45%を占め、次いで小麦(26%)、トウモロコシ(18%)、大豆(10%)でした。

最近の食料価格指標の急激な下落は、主要な市場プレーヤーによる既存の輸出制限の撤廃と、全体的な輸出制限の導入数の相対的な減少を反映しています。特に、インドは米に対する輸出禁止、輸出割当、輸出税、最低輸出価格(MEP)を撤廃し、ライセンス要件を除き、米を対象としたほぼすべての輸出制限を撤廃しました。アルゼンチンはトウモロコシの輸出割当を廃止し、米に対する輸出税を撤廃しました。ロシア連邦は、米と大豆に対する輸出税を撤廃し、小麦の輸出禁止措置を終了しました。
こうした国際機関・イニシアチブが提供する情報は、世界貿易市場の透明性を維持し効率的な機能に不可欠であり、農業食料システムの回復力を支え、世界中で手頃な価格で栄養価の高い食品へのアクセスを確保することに貢献しています。


(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

関連するページ