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1076. オーバーシュート回避の必要性

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1076. オーバーシュート回避の必要性

 

アース・オーバーシュート・デイ(Earth Overshoot Day)とは、特定の年において人類の生態系資源やサービスに対する需要が地球による再生供給能力を超えてしまう日として定義されます。アース・オーバーシュート・デイは、非営利の国際シンクタンクであるグローバル・フットプリント・ネットワーク(Global Footprint Network)によって企画・報告されています。

2024年のアース・オーバーシュート・デイは8月1日でしたが、人類は地球1.7個分の資源を消費し、日本に関していえば日本6.6個相当の過剰消費を行っているとされています。

このような過剰消費は、森林破壊・土壌劣化・生物多様性喪失・大気中の二酸化炭素濃度上昇を通じ、異常気象の頻度を高め、食料生産を損ねる状況に繋がっています。地球のオーバーシュートを回避するために、消費・生産および経済の在り方そのものを見直さなければなりません。

Nature Communications誌で公表された論文は、産業革命期と比べて温暖化を1.5℃に抑える目標をオーバーシュートすることにより、気候に不可逆的な変化を伴う転換点の起こりうるリスクが大幅に上昇するとし、地球システムの安定化維持のために、温室効果ガス排出を緊急に大幅削減する重要性を訴えました。

 

(参考文献)
Möller, T., Högner, A.E., Schleussner, CF. et al. Achieving net zero greenhouse gas emissions critical to limit climate tipping risks. Nat Commun 15, 6192 (2024). https://doi.org/10.1038/s41467-024-49863-0

 

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)


 

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