[食料栄養バランス]世界の食料需給と栄養バランスの評価

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2021-03-09

世界の食料需給と栄養バランスの評価(食料栄養バランス)

 農業は天候に依存するため、工業製品のように生産を安定的に維持することが容易ではありません。特に、近年、干ばつや洪水などの異常気象により、農業生産量の変動は拡大する傾向にあります。また、原油価格の変動による肥料や農業機械などの投入量への影響、内戦やテロなどの国際情勢も、農産物の国際価格や生産量の不安定さに拍車をかけています。こうした農業をめぐる不確実性が増す状況下にあって、特に開発途上地域においては、道路・電力などの基本的なインフラやかんがい施設など農業生産基盤の整備の遅れ、公的投資の資金不足、その他様々な要因によって、農産物の生産量の変動はより大きなものとなっています。  他方、食料の消費量やそれに伴う栄養素の供給量は地域的に偏りがあります。飢餓の人口は世界的に見ると減少しつつありますが、地域差はむしろ拡大しています。開発途上地域においては、エネルギー不足に加えて微量栄養素の欠乏がみられる一方で、一部には肥満などの過剰なエネルギー摂取による弊害も顕在化し、ますます複雑な状況になってきています。  本プロジェクトでは、開発途上地域における作物の生産および消費者への栄養素供給の状況を把握し、食料の需要・供給と栄養のバランスを分析します。また、気象条件の突然の変化・作付面積の急減・技術革新といった生産量の変動要因や、食料の需要に影響を与える社会経済的要因を考慮し、将来の食料需給と栄養バランスの予測を行います。これらの食料需給・栄養バランス分析に加え、これまでに行われた研究・技術開発の効果も中長期的視点から測定・評価することで、世界の食料安全保障と栄養改善につながる研究・技術開発のあり方を討究していきます。

食料需給と栄養バランス

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