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112. Food Security: アフリカにおける貿易と食料安全保障の有効化

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2020年8月14日、Food Security誌にて、論文「アフリカにおける貿易と食料安全保障の有効化Enabling trade across borders and food security in Africa. 」が公表されました。過去30年間、世界的に飢餓解消の努力で進歩がみられるのに対し、アフリカでは未だに食料安全保障の課題があります。本論文は、輸出入にかかわる書類作業にかかる時間や費用の削減を通じた貿易障壁の解消が、アフリカにおける食料安全保障の向上につながるかどうかについて分析を試みています。2006-2015年の期間について45か国のデータを用いたモデル推計の結果、とりわけ書類作業にかかる非効率性が大きく、輸出入にかかる時間が長いほど、食料アベイラビリティとアクセスの改善を阻んでいることを示しました。これは税関における書類作業や業務の遅延の解消を通じた貿易業務改革が、アフリカの食料安全保障を向上する効果的な政策の一つであることを示唆しています。

 

参考文献

Bonuedi, I., Kamasa, K. & Opoku, E.E.O. Enabling trade across borders and food security in Africa. Food Sec. (2020). https://doi.org/10.1007/s12571-020-01095-y

(文責:研究戦略室 飯山みゆき)

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