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国連砂漠化対処条約 (UNCCD) 2017「グローバル・ランド・アウトルック第一版 [The Global Land Outlook, first edition]」概要

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近年、食料・水・エネルギー及び地球上の生命体の維持に必要なエコシステムサービスを提供する土地資源に対する需要が高まり、生物多様性の喪失や気候変動の影響も相まって、土地資源の劣化が急速に進行している。過去20年間、主に土地・水資源の過剰・不適切利用により、地球上の植生の約20%に相当する地域において土地生産性の下落が続いている。およそ13億人が劣化した農地からの生産物で生計を立てていると推定され、とりわけ乾燥地域の劣化した農地で暮らす農民は経済開発の恩恵から取り残されてきた。短期的な経済利益の追求による土壌劣化・汚染を伴う土地利用に加え、現状の非効率なフードシステム --- 生産・流通・消費パターン --- が、土地資源劣化の最大の原因の一つであり、人類の健康および環境を脅かしている。

我々は、土地資源は有限であるということを認識しなければならない。日常の消費・企業行動を見直し、トレードオフに配慮し、効率的で持続的な利用法を採択することにより、現状の土地資源の劣化傾向を食い止めるとともに、長期的な経済発展と「土地劣化の中立性」を両立し、持続可能な開発目標(SDGs)を達成することが可能である。世界的なアジェンダとして、土地権利の保障と並行して責任ある土地利用慣行の採択・普及を促すには、土地保有権の保障、ジェンター平等、適切な土地利用の誘引・報酬、などの政策・制度整備が求められる。

より詳しい内容に関しては、以下のサイトを通じ報告書原文を参照のこと

https://global-land-outlook.squarespace.com/the-outlook/#the-bokk

なお、概要に関する本翻訳は、国際連合から公式に承認を受けたものではなく、翻訳上の誤りなどの責任は文責にある。

(文責:研究コーディネーター  飯山みゆき)

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