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1465. 100億人を養うための水ソリューション

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1465. 100億人を養うための水ソリューション

 

世界銀行の新たな報告書(Nourish and Flourish: Water Solutions to Feed 10 Billion People on a Livable Planet)によると、一部の国では過剰使用、他の国では過少使用という現状のもと、現状の農業用水管理慣行は世界人口の半数以下の食料生産しか持続的に支えることができていません。2050年までに100億人分の食料が必要になると予測されており、世界の食料システムにおける水利用のバランスを取り戻すことが、将来の食料需要を持続的に満たすための条件となります。

食料生産のための水管理は、雇用、生活、そして経済成長に大きな影響を与えます。作物の栽培地域、水の配分方法、そして貿易が食料安全保障をどのように支えるかについて、より賢明な選択をすることで、資源を守ることができます。報告書は、農業用水管理のための新たな枠組みを提示し、各国の水ストレスレベル(高/低)と食料貿易状況(純輸入国/純輸出国)に基づいて国を分類しました。水不足の状況と食料の輸出入状況に基づいて各国を分類することで、画一的なアプローチではなく、それぞれの状況に合わせたソリューションが可能になります。報告書は、天水農業の拡大によって食料生産を増やせる地域、灌漑投資によって雇用と経済成長を促進できる地域、生態系と将来の生産性を守るために水利用のバランスを見直さなければならない地域、そして食料生産よりも貿易に依存する方が持続可能となる地域を特定しました。

報告書は、農業用水管理を生産性向上の手段としてだけでなく、経済全体にわたるセクター横断的な利益をもたらすプラットフォームとしても捉え直しています。分析によると、戦略的な農業用水管理投資は、大きな開発効果をもたらす可能性があります。持続可能な灌漑の拡大という一つの施策だけでも、貯蔵、加工、輸送、市場における乗数効果を考慮し、少なくとも2億4500万人の雇用を創出できる可能性があります。各国が農業用水の管理方法を変革することで、政策立案者は食料生産の増加、雇用の創出、気候変動への耐性の構築、排出量の削減、生態系の保護を同時に実現し、人々に栄養ある食へのアクセスを保障しながら、住みやすい地球における経済繁栄を可能にすることができます。


(参考文献)
Talbi, Amal, et al. 2026. Nourish and Flourish: Water Solutions to Feed 10 Billion People on a Livable Planet. Global Water Monitoring Report. Washington, DC: World Bank. https://doi.org/10.1596/978-1-4648-0782-4


(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

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