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894. 気候変動適応 ― 資金不足・準備不足

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894. 気候変動適応  ―  資金不足・準備不足

2023年、史上最高気温を更新する一方、台風やハリケーン・洪水・干ばつ・熱波が災害をもたらしています。国連環境計画による2023年適応ギャップ報告書は、気候変動適応に関する対応が加速しなければならないときに資金不足・準備不足に陥ることで、世界を危機に晒すことになると警告をならしました。

報告書は、開発途上国における適応ファイナンスの必要性は、現在の国際公的資金援助の10-18倍に相当するとし、前回の推計よりも50%高い値となっています。開発途上国における適応のコストは、この10年間に関して年間2150億ドルと推計されているのに対し、国内の優先事項に必要とされる適応ファイナンスニーズは毎年3870億ドルと推計されています。

これらのニーズにもかかわらず、開発途上国に対する多国間・二国間ファイナンスフローは、2021年、210億ドルと15%と減少しました。適応ファイナスの需要の高まりに対し対応が追い付かない中、現状での適応ファイナンスギャップは、年間1940億ドル~3660億ドル相当と推計されます。同様に、適応計画と実施は頭打ちになっているようです。この現状は、最も脆弱な社会層に対する損失と損害(losses and damages)にも大きな意味を持ちます。

報告書は、国内支出や国際・民間セクターからの金融、そして損失と損害ファイナンスを含め、適応ファイナスの調達の方法について提案しています。

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)


 

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