第1 研究開発の成果の最大化その他の業務の質の向上に関する事項
1 研究開発マネジメント<企画セグメント>
(1)政策の方向に即した研究の戦略的推進
- 気候変動への対処や新たな食料システムの構築に係る地球規模課題の解決に向け、開発途上地域及び我が国の双方に裨益する研究開発を戦略的に推進する。また、みどりの食料システム戦略のアジアモンスーン地域への展開の具体化を図る。このため、以下の取組を行う。
- ア 新型コロナウイルス感染症等研究対象地域における活動の制約リスクに対処するため、国際研究ネットワーク及び国内施設を活用して研究を推進する一方で、現地の状況の変化等に応じて必要な場合は研究課題の見直しを行う。
- イ 工程表に基づく研究課題の進捗管理や、評価結果に基づく「選択と集中」を徹底し、研究の進捗状況や社会情勢の変化等に応じ機動的な研究課題の見直しを図る。
- ウ 理事長の裁量による研究職員への効果的なインセンティブの付与や研究環境の充実を図るとともに、外部資金の獲得に積極的に取り組み、研究資金の効率的活用に努める。
- エ 将来の技術シーズの創出や革新的な技術開発に繋がる基礎研究(目的基礎研究)課題及びシーズ研究課題を推進する。
- オ 新型コロナウイルス感染症等の影響で、人の移動が制限されている状況下においても、ICT等を活用して研究を効果的・効率的に推進する体制の改善に取り組む。
(2)産学官連携、協力の強化
- 開発途上地域における農林水産業に関する研究水準の向上と課題解決に貢献するため、開発途上地域や先進諸国の研究機関及び大学、CGIAR等の国際研究機関、国際的な研究ネットワーク、国際機関、民間企業、NGO等との国際共同研究や人的交流を積極的に推進する。
また、情報セグメントにおける戦略的パートナーシップの構築を研究実施取決及び共同研究契約の締結等により支援するとともに、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 (以下「農研機構」という。)、国立研究開発法人森林研究・整備機構(以下「森林機構」という。)、国立研究開発法人水産研究・教育機構(以下「水研機構」という。)等との情報交換や人的交流、研究交流の機会を拡充し、各法人の強みを生かしシナジーをもたらす研究開発等を推進する。国際農研は、開発途上地域及び熱帯・亜熱帯地域における農林水産業研究に関する中核的な役割を担う一方、我が国における国際農林水産業研究を包括的に行う唯一の試験研究機関として、我が国の農林水産業研究の高度化等に貢献するため、農研機構、森林機構、水研機構等との人事交流を含めた強い連携体制を構築する。
(3)知的財産マネジメントの戦略的推進
- 研究開発成果は地球公共財(Global Public Goods)として開発途上地域での利活用を促進する観点に留意しつつその取扱いを検討するとともに、迅速な社会実装や技術普及に向けた戦略的な知的財産マネジメントを推進するため、以下の取組を行う。
- ア 知的財産権審査会において、権利化または秘匿化すべき発明であるか、その他発明の取扱いについて審査を行う。審査に当たっては、知的財産に関する基本方針に基づき、最も適切な方法を採用する。
- イ 共同研究の実施に当たっては、技術の流出や情報漏えい等、知的財産の侵害を防止するため、必要に応じて秘密保持契約を締結する。また、共同研究によって得られる知的財産の取扱いについて、共同研究契約に定める。
(4)研究開発成果の社会実装に向けた取組の強化
- 研究開発成果の普及と社会実装を図るため、以下の取組を進める。なお、取組に当たっては、必要に応じて科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律(平成20年法律第63号)に基づく出資並びに人的及び技術的援助の手段等を活用する。
- ア 研究開発成果については、研究成果の公表届を活用して、権利化の可能性や秘匿化の必要性等を検討する。公知化が望ましいものについては、研究成果情報、学術雑誌等への論文掲載等により積極的に公表する。
- イ 成果の利活用が見込まれる国や地域において、セミナー・ワークショップ・住民説明会等を開催し、受益者への速やかな情報提供を図る。データベース化、マニュアル化等による成果の利活用の方針を検討する。
- ウ 特に活用が見込まれる成果については、研究成果情報や主要普及成果に選定し、ウェブサイト等に掲載することにより実利用を促進する。
- エ 情報セグメントにおける開発セクターや企業等事業者との戦略的パートナーシップによる技術の普及や実利用に向けた取組を支援する。
- オ 法人の主要な研究開発成果について、フォローアップ調査を計画的に実施し、ウェブサイト等で公表する。
(5)広報活動及び国民との双方向コミュニケーションの推進
- 国際農研の活動及び成果並びに開発途上地域を対象とする国際的な研究開発の必要性や国際農研の貢献及び研究活動を通じた科学技術外交への寄与等について、国民からの理解が得られるよう広報活動に取り組む。
- ア 情報セグメントにおける戦略的情報提供の取組を支援するため、プレスリリース・取材対応等によってメディアを有効に活用するとともに、刊行物の発刊、メールマガジンの発信、外部イベントへの出展など、多様な媒体やコミュニケーションツールを活用し、国内外における情報発信や双方向コミュニケーションの機会拡充に取り組む。
- イ 国際農研の活動に対する国民の声を把握するよう務めるとともに、理解の増進に向けて、一般公開に加え、外部イベントへの出展、サイエンスカフェ、出前授業等のアウトリーチ活動に取り組む。また、シンポジウムやセミナーのオンライン開催等、新たな方式のアウトリーチ活動へ積極的に取り組む。
- ウ 共同研究の相手機関や研究対象地の所在国政府等と連携し、現地ワークショップや説明会など研究実施地域の住民の理解を促進するための取組を推進する。
(6)行政部局等との連携強化
- 我が国の政策に対応した適切な研究開発と施策への貢献を図るため、以下の取組を進める。
- ア 研究の設計から成果の普及・実用化に至る各段階において、関係行政部局との情報交換を密に行うとともに、毎年度の国際農林水産研究連携推進会議等に関係行政部局の参加を求め、ニーズの把握や成果の検証を行う。
- イ 行政部局の要請に対応し、緊急時対応、各種連絡会議及びシンポジウムの開催並びに国際機関及び学会等への職員派遣等に協力する。
- ウ 行政、各種団体、大学等の依頼に応じ、他の機関では実施が困難な分析及び鑑定を行う。
2 気候変動対策技術や資源循環・環境保全技術の開発<環境セグメント>
気候変動に対処し、持続的な農林水産業と適切な資源管理を両立するため、以下の取組を行う。
アジアモンスーン地域において気候変動対応技術の開発を目指し、水田水管理、土壌炭素貯留、乾燥牛ふんの流通状況等畜産についての調査・試験を継続する。国内では、水田水管理に係る調査・モデル開発、水稲栽培試験、プロジェクト実施国から輸入した土壌試料の分析、ポット試験、メタン安定同位体比測定機を用いた飼養試験を行う。開発した技術の社会実装・普及に向け、対象国の情報収集を継続するとともに、技術普及の可能性を検証するための調査・試験を開始する。
農作物残渣の適正処理を進め地球規模環境問題を改善するため、多様な農作物残渣に対応できる糖化微生物の開発に着手すると共に、微生物糖化技術によるC1ガス生産統合化技術の検討を進める。生産するC1ガスをオイルやカロチノイド・生分解プラスチックなど付加価値原料に変換できる藻類・微生物を単離・同定する。また持続的糖化システム構築を目指し、糖化微生物のCO2・N2固定能や植物生長促進能等の開発に着手する。さらに農作物残渣に起因する環境影響の評価に向け、GHG放出及び土壌病害発生について測定・評価手法を検討する。さらに社会実装に向けた民間企業との協議や連携を加速させる。
生物的硝化抑制(BNI)強化コムギ品種のほ場試験を継続し、ヒンドゥスタン平原での多地点試験とインド優良コムギへのBNI能導入を開始する。トウモロコシ等のBNI物質を分析し、土壌における動態を解析する。BNIの土壌硝化微生物叢への相互作用を明らかにし、BNIを活用した輪作体系の評価のためのほ場試験を継続する。BNI作物導入の環境・経済影響を評価する。
熱帯林遺伝資源の環境適応性評価に向けて、環境適応に関連した樹木の形態形質、生理特性情報を収集するとともに、それらに関連する遺伝基盤を解析する。また対象樹種のドラフトゲノム情報を収集する。環境適応的造林技術の開発に向けて、材や葉の形質の定量と、林分成長に関連するパラメータの収集・解析を行う。土壌微生物相評価のための測定を行い、調査林分の温室効果ガス動態を解析する。
熱帯島嶼を対象として、有用樹種等を用いた土壌流出抑制効果を評価するため、劣化山地を想定し傾斜圃場において試験を開始する。地下灌漑システムによる灌漑水の節水効果について、水収支を算定して評価する。河川における水文水質調査結果および窒素フットプリントの算定結果から、環境負荷の定量化を行う。
乾燥地の灌漑農地における持続的土地管理法の開発に向けて、浅層暗渠と地中灌漑を適用したライシメーターおよび圃場試験を開始し、土壌塩分・水分等のデータを取得する。また、開発技術の有効性と普及可能性の検証を検証するため、調査対象地区の農家を対象とした事前調査を実施する。
3 新たな食料システムの構築を目指す生産性・持続性・頑強性向上技術の開発<食料セグメント>
開発途上地域の農業開発ニーズに対応し、対象地域の安定的な食料生産並びに国際的な食料需給及び食料栄養安全保障に貢献するため、以下の取組を行う。
主要作物のイネ、ダイズ、低利用作物のキヌアを主な対象として、劣悪な環境などさまざまな外的攪乱に強いレジリエントな作物を作出または生産するために必要な有用遺伝子座の同定を行い、植物の分子レベルでの応答や病原性、有用共生微生物についての解析を実施する。また、系統集団の作製やその評価手法の開発を行い、有望系統を評価する。
在来作物の特徴的な機能性や加工特性を持った育種素材を開発するために遺伝子、形質、成分等の解析を行い、在来作物及び交配系統の栽培特性を明らかにする。発酵技術を利用した付加価値の高い食品を開発するために、微生物を介した加工食品等の栄養・機能性成分等を評価する。
サバクトビバッタの野外における分布様式および移動特性を解明するため、共食いリスクに着目した行動解析を行う。イネウンカ類及びツマジロクサヨトウの天敵に対する殺虫剤の影響評価法を開発するための室内飼育実験を実施する。総合防除体系の経済的評価のため、メコン河下流域に位置する各国におけるトウモロコシ需給に関するデータを収集する。
生態系アプローチによる持続的養殖技術開発に資するため、二枚貝類のリアルタイム漁場観測の実施と問題点の抽出を行う。小型在来魚類養殖対象種の生態調査・種苗生産技術開発を行う。養殖用海藻飼料についてウシエビの成長などに関する効果を検証する。養殖種苗の成長・生残比較実験や初期餌料開発を行う。養殖試験・費用データを用いたシステムダイナミクスモデル試作を行う。
タンザニアの水田地域を対象に、湛水把握モデルの構築、水利用の現状に基づく技術開発方針の策定、水利用効率化対策マニュアルの改良を進める。また、穂数を改変したイネや陸稲品種候補を開発し、イネの低水分ストレスや鉄過剰害、野菜遺伝資源の栄養性に関する知見を得る。マダガスカルでは、水田稲作の効果的施肥法、養分環境と出穂・根系形質との相互作用、マメ科や微生物の利用法、生産技術が農家の所得・栄養に及ぼす効果を検証する。
地域ごとの自然環境に即した土壌・栽培管理技術の開発に向け、ガーナ北部では試験圃場で作物栽培試験を継続し、家畜飼養技術提案および灌漑利用にむけた現地農家状況の把握を進める。また、農村試験実施のための圃場選定および基礎情報収集を行う。ブルキナファソでは土壌保全技術の改良試験を継続し、積算土壌侵食量に対する作物応答試験を開始する。また、降水量の異なる多地点で土壌ごとの作物生産性検証試験を開始するとともに、干ばつ発生予測の予備解析を実施する。
4 戦略的な国際情報の収集分析提供によるセンター機能の強化 <情報セグメント>
国内外に向けた情報発信として、以下の取組を行う。
開発途上地域の農林水産業と食料システムに係る課題や開発ニーズを把握するため、諸外国における食料需給、栄養改善及び食料システムに関する現状分析、様々なシナリオ下における将来予測、開発技術のインパクト評価等を行うとともに、広範な情報の継続的、組織的、体系的な収集・整理・発信体制を構築し、広く研究者、行政組織、企業等に提供する。また、TICAD8への積極的な参加等を通じ、食料や環境に関する国際的な議論に積極的に関与する。オリジナル・コンテンツの作成等質の高い情報提供と対象者への効果的な配信方法を工夫し、その一環として情報提供専用ページを国際農研HP内に作成するほか、外部イベントへの出展、刊行物や動画の作成など、多様な媒体・機会を活用した効果的・戦略的な情報発信を行う。
新たに、「みどりの食料システム戦略」に資する国際連携の体制整備と情報発信やネットワークを活用した共同研究による基盤農業技術の応用促進を内容とする「みどりの食料システム基盤農業技術のアジアモンスーン地域応用促進事業」を開始する。
また、研究開発成果の社会実装等に向けた以下の取組を行う。
眼柄切除に代わる新たな成熟制御技術開発において親エビの成熟・産卵率向上を目指すとともに、閉鎖循環式方式を用いてふ化幼生をポストラーバまで育成する一連の飼育工程を確立する。また、熱帯・島嶼研究拠点の植物工場を利用して、高温環境下におけるイチゴの周年栽培法の検証を、農研機構及び民間企業と共同で行うとともに、植物工場の海外展開へ向けた候補地の選定を進める。
サブサハラアフリカにおける農業デジタル化に関する調査対象を絞り込むため、システマテイックレビューによる客観的基準に基づいた情報収集・集積を実施する。また、既存のデジタル技術を現地に適応させるための技術的、社会的要因を整理する。
熱帯性作物遺伝資源の情報利用促進に向けたエリアンサスデータベースの公開及びインド型イネ特性データの整備を行う。遺伝資源利用に向けた、サトウキビ及びマンゴーの特性評価技術、イネ有用形質の解析材料及び形質転換体の開発を進める。国内向けパッションフルーツ苗増殖のためのウイルスフリー技術マニュアルを作成、公開する。
- ア 熱帯・島嶼研究拠点の研究環境を活用し、農業生物資源ジーンバンク事業における熱帯・亜熱帯作物サブバンクとして、 サトウキビおよび近縁種、熱帯果樹類、パインアップルの各遺伝資源の栄養体保存を実施するほか、農研機構が実施するイネ育種事業に貢献するため、水稲世代促進に係わる栽培試験を実施する。
- イ 国際招へい共同研究事業、特別派遣研究員事業等を実施し、開発途上地域及び我が国の研究人材育成を図るとともに、他の国立研究開発法人、大学、国公立機関、民間、海外機関等から講習生、研修生を積極的に受け入れ、人材育成や技術水準の向上に貢献する。
第2 業務運営の効率化に関する事項1 経費の削減
1 経費の削減
(1)一般管理費等の削減
運営費交付金を充当して行う事業については、業務の見直し及び効率化を進め、一般管理費(人件費を除く。)については少なくとも対前年度比3%の抑制、業務経費については少なくとも対前年度比1%の抑制を行うことを目標に削減する。
(2)調達の合理化
- ア 定量的な目標や具体的な指標を含む「調達等合理化計画」を、6月末までに策定し、着実に実行するとともに、実績評価の際に自己評価を行う。また、特例随契を適用する際の契約監視委員会の「事前承認」に係る包括的承認手続きを早期に進め、同委員会の承認を得て運用する。
- イ 農研機構との間で共同調達、落札価格情報の共有などの連携を進め、効率化を図る。
2 組織・業務の見直し・効率化
(1)組織・業務の再編
- ア 中長期目標の達成に向けて、組織・研究体制や業務を柔軟に見直す。
- イ グループウェアにおけるワークフロー(電子申請)の利用促進を図るとともに、テレビ会議システムやオンライン会議システムを活用することにより拠点を含めた意思決定の迅速化、業務の効率化を図る。また、勤務時間管理システムについては、各種休暇申請や時間外勤務申請等に活用し業務の効率化、デジタル化を進める。
- ウ 上記の取組により、適切な人員配置と業務の最適化を図る。
(2)研究施設・設備の集約(施設及び設備に関する計画)
研究施設・設備整備については、老朽化の現状や研究の重点化方向を踏まえ、他法人等の施設の利用など検討した上で、整備しなければ研究推進が困難なもの、老朽化が著しく改修しなければ研究推進に支障をきたすもの、法令等により改修が義務付けられているものなど、業務遂行に真に必要なものを計画的に整備するとともに、利用を促進し、利用率の向上を図る。
第3 予算(人件費の見積りを含む。)、収支計画及び資金計画
1 予算
区 分 |
企画 セグメント |
環境 セグメント |
食料 セグメント |
情報 セグメント |
計 |
法人共通 |
合計 |
収 入 前年度よりの繰越金 運営費交付金 施設整備費補助金 受託収入 寄附金収入 諸収入
計
|
23 473 378 40 0 0
914 |
12 786 0 105 0 0
903 |
13 1,145 0 115 0 1
1,272 |
10 533 0 45 0 0
588 |
58 2,937 378 305 0 1
3,678 |
0 694 0 0 0 0
694 |
58 3,631 378 305 0 1
4,373 |
支 出 業務経費 施設整備費 受託経費 一般管理費 人件費
計
|
269 378 40 0 230
917 |
354 0 105 0 444
903 |
510 0 115 0 649
1,273 |
289 0 45 0 255
588 |
1,422 378 305 0 1,578
3,682 |
0 0 0 103 591
694 |
1,422 378 305 103 2,169
4,376 |
[注記]
- 「前年度よりの繰越金」は、令和3年度の運営費交付金のうち、令和4年度に繰越となった経費を計上した。
- 運営費交付金は、令和4年度政府予算による運営費交付金予算を計上した。
- 施設整備費補助金は、令和4年度政府予算による施設整備費補助金予算を計上した。
- 「受託収入」については、農林水産省及び他省庁分の委託プロジェクト費等を計上した。
- 百万円未満を四捨五入してあるので、合計とは端数において合致しないものがある。
2.収支計画
区 分 |
企画 セグメント |
環境 セグメント |
食料 セグメント |
情報 セグメント |
計 |
法人共通 |
合計 |
費用の部 経常費用 人件費 賞与引当金繰入 退職給付費用 業務経費 受託経費 一般管理費 減価償却費 財務費用 臨時損失
収益の部 運営費交付金収益 賞与引当金見返に係る収益 退職給付引当金に係る収益 諸収入 受託収入 寄附金収益 資産見返負債戻入 臨時利益
純利益 前中長期目標期間繰越積立金取崩額 総利益 |
539 539 217 14 0 253 39 0 17 0 0
538 466 14 0 0 40 3 16 0
△1 1 0 |
879 879 407 36 0 308 100 0 26 0 0
879 716 36 0 0 105 0 21 0
0 4 4 |
1,246 1,246 609 40 0 460 109 0 29 0 0
1,247 1,068 40 0 1 115 1 23 0
1 4 5 |
578 578 239 15 0 269 43 0 11 0 0
578 509 15 0 0 45 0 9 0
0 2 2 |
3,242 3,242 1,472 105 0 1,290 291 0 83 0 0
3,242 2,758 105 0 1 305 4 69 0
0 11 11 |
704 704 453 25 113 0 0 98 15 0 0
704 551 25 113 0 0 0 15 0
0 0 0 |
3,946 3,946 1,926 130 113 1,290 291 98 98 0 0
3,946 3,309 130 113 1 305 4 84 0
0 11 11 |
[注記]
- 収支計画は令和4年度政府予算ベース及び令和3年度よりの繰越金で作成した。
- 独立行政法人会計基準の改訂により、令和元年度から「賞与」及び「退職金」については引当金を導入している。
- 「受託収入」は、農林水産省及び他府省の委託プロジェクト費等を計上した。
- 百万円未満を四捨五入してあるので、合計とは端数において合致しないものがある。
3.資金計画
区 分 |
企画 セグメント |
環境 セグメント |
食料 セグメント |
情報 セグメント |
計 |
法人共通 |
合計 |
資金支出 業務活動による支出 投資活動による支出 財務活動による支出 翌年度への繰越金
資金収入 業務活動による収入 運営費交付金による収入 受託収入 寄附金収入 その他の収入 投資活動による収入 施設整備費補助金による収入 その他の収入 財務活動による収入 その他の収入 前年度よりの繰越金 |
953 522 395 0 36
953 513 473 40 0 0 378 378 0 0 0 63 |
903 852 51 0 0
903 892 786 105 0 0 0 0 0 0 0 12 |
1,273 1,218 55 0 1
1,273 1,260 1,145 115 0 1 0 0 0 0 0 14 |
588 567 22 0 0
588 578 533 45 0 0 0 0 0 0 0 10 |
3,718 3,159 523 0 37
3,718 3,242 2,937 305 0 1 378 378 0 0 0 98 |
694 689 6 0 0
694 694 694 0 0 0 0 0 0 0 0 0 |
4,413 3,847 529 0 37
4,413 3,937 3,631 305 0 1 378 378 0 0 0 98 |
[注記]
- 資金計画は、令和4年度政府予算及び令和3年度よりの繰越金を基に予定キャッシュフローとして作成した。
- 「受託収入」は、農林水産省及び他府省の委託プロジェクト費等を計上した。
- 「業務活動による収入」の「その他の収入」は、諸収入額を記載した。
- 百万円未満を四捨五入してあるので、合計とは端数において合致しないものがある。
4.自己収入の確保
外部研究資金の獲得、受益者負担の適正化、特許実施料の拡大等により、自己収入を確保する。
5.保有資産の処分
現有の施設・設備について自主点検を行い、利用率の低いものについては、その改善の可能性等の検討を行った上、保有の必要性が認められないものについては適切に処分する。
第4 短期借入金の限度額
短期借入金は、4億円を限度とする。
第5 不要財産又は不要財産となることが見込まれる財産がある場合には、当該財産の処分に関する計画
なし
第6 重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、その計画
なし
第7 剰余金の使途
なし
第8その他業務運営に関する重要事項
1 ガバナンスの強化
(1)内部統制システムの構築
- ア 内部統制の簡素化・高度化に資する情報システムの整備のあり方について検討する。
- イ 理事長のリーダーシップの下、役職員の担当業務、権限及び責任を明確化し、役員会及び運営会議等において、迅速かつ的確な意思決定がなされるよう、その補佐及び意思伝達に取り組む。
- ウ 指揮命令系統を明確化し、国際農研の方針や決定事項について速やかに法人内に周知・実施できるよう、体制整備に取り組む。
- エ 法人の目標や各業務の位置づけ等について役職員の理解を促進し、役職員のさらなるモチベーション向上を図るため、全職員を対象としたコンプライアンス一斉研修において、法人ミッションに関する講義等を実施する。
- オ 新型コロナウイルスにより生じた社会変化や海外での研究活動に起因する事象など国際農研の業務遂行の障害となる要因(リスク)を識別、分析、評価し、適切な対応を実施するためリスクマネジメント手法を再構築する。
(2)コンプライアンスの推進
- ア 国際農研に対する国民の信頼を確保する観点から、法令遵守や倫理保持に対する役職員のさらなる意識向上を図るため、コンプライアンス一斉研修や教育訓練の向上を図る。
- イ 政府が示したガイドライン等を踏まえ、研究活動における不適正行為を防止するため、コンプライアンス一斉研修やeラーニング等による職員教育を実施する。
(3)情報公開の推進等
公正な法人運営を実現し、法人に対する国民の信頼を確保する観点から、法定情報の速やかな公開に努める。さらに、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)等に基づき、情報公開を推進するとともに、情報開示請求に対しては適切に対応する。。
(4)情報セキュリティ対策の強化、情報システムの整備及び管理
- ア 政府統一基準群(令和3年7月改訂)に伴い改定した、情報セキュリティ関係規程(情報セキュリティポリシー・ガイドライン・マニュアル)に基づき、業務用情報機器の適切な管理及び使用に関する教育等を通じて情報セキュリティ対策の徹底を図る。また、令和4度実施予定のNISC(内閣サーバーセキュリティセンター)の第2回マネジメント監査・ペネトレーションテストへの対応を行う。
- イ 情報セキュリティ監査等において改善等の必要があった場合には速やかに改善策を講じる。
- ウ 保有する個人情報や技術情報を適切に管理する。
- エ 情報システムの整備及び管理については、デジタル庁が策定した「情報システムの整備及び管理の基本的な方針」(令和3年12月24 日デジタル大臣決定)に則り、PMOの設置等の体制整備に向けた検討を行うとともに、デジタル庁が行う情報システムの整備・管理に係る棚卸し調査に協力する。
(5)環境対策・安全管理の推進
- ア 薬品等の管理に関する安全教育、職場巡視及び定期的な点検を行うとともに、化学薬品管理システムを活用して化学物質等を適正に管理する。
- イ 生物材料等の入手と管理に関する教育訓練を行うとともに、法規制のある生物材料について適正に管理する。
- ウ 法人内で使用するエネルギーの削減を図る。また、廃棄物等の適正な取扱を職員に確実に周知し、法人全体でリサイクルの促進に取り組む。
- エ 職員の安全衛生意識の向上に向けた教育・訓練、職場巡視などモニタリング活動を実施し、作業環境管理の徹底を図る。また、労働災害発生防止のため継続的な注意喚起やヒヤリハット事例等を活用した事故等の未然防止活動に取り組む。
- オ 「新型コロナウイルス対策会議」において感染防止対策の検討等を行い、職員への周知、徹底を図る。
- カ 「非常時における業務継続計画に基づく業務継続力向上のためのマニュアル」を活用し、職員の防災意識の向上を図るとともに、必要な設備の設置、管理を行う。また、災害等緊急時の対応体制を整備する。
2 研究を支える人材の確保・育成
(1)人材育成プログラムの実施
- ア 研究管理者や研究業務の支援、技術移転活動等を行う人材を育成するため、人材育成プログラムに基づく取組を実施する。
- イ 研究業務の支援、技術移転活動等を行う人材についてキャリアパスを活用し育成する。
- ウ 行政部局等との人的交流、知識の習得や技能の向上を図るための各種研修の開催、外部機関等が行う研修の活用等により、職員の資質向上を図る。
(2)人事に関する計画
- ア 業務の着実な推進のため、必要に応じて職員を重点的に配置するなど、柔軟で適切な人事配置を行う。
- イ クロスアポイントメント制度、テニュア・トラックを付した任期付制度や再雇用制度、公募による採用等、多様な制度を活用し、国際農研の業務推進に必要な人材の確保に努める。
- ウ 優秀な女性・若手職員を積極的に採用するとともに、女性の幹部登用、ワークライフバランス推進等の男女共同参画の取組を強化する。さらに、国籍に依らない研究職員の採用を進める。
(3)人事評価制度の改善
- ア 関係規程や業績評価マニュアル等を整備し、公正かつ透明性の高い業績及び能力評価システムを運用するとともに、人事評価結果を適切に処遇等に反映する。
- イ 研究職員については、研究業績、研究成果の社会実装、運営業務への貢献、目標の達成度等、多角的な観点に基づく業績評価を実施する。
(4)報酬・給与制度の改善
- ア 役職員の報酬・給与については、国家公務員や民間企業の給与水準等を勘案した支給水準とする。
- イ クロスアポイントメント制度など多様な雇用体系に柔軟に対応できる報酬・給与制度の導入に取り組む。
- ウ 透明性の向上や説明責任の一層の確保のため、給与水準に係る検証結果や取組状況を公表する。
3 主務省令で定める業務運営に関する事項
前中長期目標期間繰越積立金は、第4期中長期目標期間中に自己収入財源で取得し、第5期中長期目標期間へ繰り越した有形固定資産の減価償却に要する費用等に充当する。
また、施設及び設備に関する計画については、中長期計画第2の2(2)、職員の人事に関する計画については、同第8の2(2)のとおり行う。
- 令和4年度計画
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