男性研究者からのメッセージ : 社会科学領域 草野栄一

国際農林水産業研究を志した動機は何ですか?

 私は学生の頃から国際交流関係の授業に興味がありました。大学院に入ってすぐ、中国の内モンゴルの留学生に助けられ、同地を頻繁に訪れて農村調査などをしていたことで、当時の中国が大好きになりました。このような流れで自然に外国を対象とした研究をすることになっていったのですが、専門を活かし、なおかつフットワーク軽く外国に行って仕事ができる国際農研は魅力的な職場だと思っています。

 
カンボジアの農村での聞き取り調査
カンボジアの農村での聞き取り調査

現在取り組んでいる研究内容をご紹介ください。

 世界の食料需給に関する統計データを用いて、各国の栄養供給量の長期的な動向の捕捉を試みています。また、メコン諸国(ミャンマー、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナム)を対象として、近年世界的に注目を集める越境性害虫であるツマジロクサヨトウの分布拡大と、その防除技術の開発が、トウモロコシ市場に与える影響を調べています。

 
タイの会議での発表
タイの会議での発表

若い研究者の皆さんに伝えたいメッセージは何ですか?

 国際農研における男女共同参画という観点からのメッセージです。私は妻が出産した際に、何か月か育児休業(育休)や有給休暇を取得しました。女性が赤ちゃんのケアにかける労力は大変なものです。若い男性研究者の皆さんは、育休などの制度を活用すると、このような負担を軽くすることができますし、何かしら得られるものもあるのではないかと思います。
 若い女性研究者の皆さんにも、出産や育児のためにある程度長く休業しても、その後に研究の世界に戻る道は開かれているということをお伝えしておきたいと思います。