成果の概要

ラオスでは、水産発酵食の生産者や、その支援を担当した中小産業振興機関の職員らと面会し、商業的に生産される伝統発酵食品の高付加価値化に向けた研究開発と情報提供の方向性について意見を交換した。また、淡水魚発酵食品の栄養性、呈味性および安全性に係る成分分析用の試料収集とともに、淡水魚の発酵食品で問題となり得るヒスタミン産生菌の単離に向けた予備試験として、耐塩性乳酸菌の培養試験を実施した。さらに、農村部で保存性の高い栄養供給源として活用が重要視される自家製の発酵食品について、その利用実態や製造技術について情報を得るため、事前に準備した聞き取り調査の案をもとに、農村の生産者の反応や共同研究者の意見を反映した調査票を作成し、今後の調査計画を調整した。タイでは、ラオスとも共通する淡水魚発酵食品について成分分析用の試料を収集した。また、発酵米麺の製造において問題となる、製麺後の溶解現象の原因について検証し、同現象の抑制条件検討の試験を実施した。