ラオス中部の食用とされる野生動物のデータベース

 東南アジアのラオスは熱帯モンスーン気候であり、豊富な森林資源を持つ。ラオスでは、古くから野生動植物は食用や生活資材として利用されている。なかでも野生動物は、農山村住民の貴重なタンパク源となっている。2007年、ラオス政府は希少な野生動物に対して「野生動物と水生生物法」を制定し、野生動物の保全対策を行っている。しかしながら、農山村住民は野生動物を日常的に採集し続けている。このような活動が続けられている理由の一つは、法律で採集が禁止されている野生動物を農山村の人々が理解していないことである。多民族国家であるラオスでは、民族や地域によって同じ野生動物でも異なる名称が使われることも多く、また、一般の人が参照できる動物図鑑なども存在しない。近年ではSARSやCOVID-19など人獣共通感染症が問題となり、農山村住民の野生動物の利用実態を明らかにすることは、途上国の公衆衛生上も重要である。

 本データベースは、ラオス中部の農山村で実施した食事調査と非木材林産物採集調査で集められたデータを元に、ラオス国立農林研究所(NAFRI)の研究者が野生動物を形態から分類・同定し取りまとめた。また、現在では地方農山村でもスマートフォンが普及してきたことから、パソコンだけでなくスマートフォンでも閲覧可能なProgressive Web Application(PWA) *によりデータベースを作成した。

 本データベースが普及することにより、農山村住民の公衆衛生の向上、野生動物の保全と持続的利用、今後の野生動物研究の資料となることを期待する。

 データベース内容には細心の注意を払っているが、なお誤りや不十分な点があるものと思われる。今後さらに改良・補充を重ねていきたいと考えているので、専門家や利用者各位からのご助言を乞いたい。

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*PWAは一度スマートフォンにダウンロードすれば、通信環境がない地域でも図鑑を参照できる。また、学習コストが低いことから簡単に操作を覚えることができる次世代の技術である。そのため、現在はデータベースの管理運営はNAFRI傘下の林業研究センター(FRC)で行われている。

本研究は国際農研の交付金プロジェクトにより実施された。また、本研究の一部はJSPS科研費 17K00706の助成を受けたものです。