国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター | JIRCAS

「ヤム品種識別ツールキット」

Yam Variety Indentification ToolKit
About ToolKit Minimum SSR Marker Finder Inquiry form

「ヤム品種識別ツールキット」のページにようこそ!

ヤム品種識別ツールキット」は、ホワイトギニアヤム(Dioscorea rotundata Poir)の品種識別技術の利用を支援するため、利用案、各種技術マニュアル、Webアプリケーション、サポート情報を提供するWebサイトです。

 

新着情報!

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2020.03.16  「ヤム品種識別ツールキット」の全ての機能が利用可能になりました。

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「ヤム品種識別ツールキット」とは?

ホワイトギニアヤム写真
ホワイトギニアヤム育種・種苗生産現場からの「品種・系統を確認する技術が欲しい」という声を受け、西アフリカの現地の実験室の環境でも品種の識別を実施できる技術を開発し、この技術の利用を支援するために「ヤム品種識別技術ツールキット」を公開しました。

 

ホワイトギニアヤムってなに?という方はこちら

 

この「ヤム品種識別技術ツールキット」の想定する利用者は、ヤムの品種開発や普及に関わる研究者や育種家苗生産企業や種苗品質検査機関普及機関です。

 

ユーザーのタイプごとの具体的な利用法に興味がある方はこちら

なぜ品種識別技術が必要なのか?

混入のリスク
ホワイトギニアヤムは、圃場で長い期間(810ヶ月)生育し、収穫するイモのサイズが大きく貯蔵が大変で、次の世代の増殖率が低いなど、栽培・管理が難しい作物です。また、地上部やイモの外観から品種を識別することが難しいことから、栽培の各工程(植付け、生育、収穫、保存)で品種の取り違えや、混入などが起こりやすく、この作物の特徴が効率的な研究や苗生産、品種普及を妨げる原因となっています。

このような声を受け、我々、国際農研が実施するEDITS-Yamプロジェクトでは、DNAマーカーを利用したホワイトギニアヤム用の品種識別技術パッケージを構築し、その利用を支援するためにヤム品種識別技術ツールキット国際農研のWebサイト上で誰にでも利用してもらえる形で公開しました

 

 

SSRマーカーを利用して品種識別ができる仕組みは?

各バンドのパターンの特徴から判定

同じ作物でも品種間にはDNAの塩基配列に少しずつ違いがあり、このDNA違いを目印として品種の違いを調べることができるのですが、その時の目印をDNAマーカーと呼びます。

DNAマーカーの一種であるSSRSimple Sequence Repeat)マーカーは、他のDNAマーカーと比較して品種間での違い(多型)を効率よく検出することができ、再現性が高いことや低コストで利用できる等、利便性の高さから遺伝解析の分野で広く利用されています。特に、非常に近縁な品種や系統でも識別を行うことができるので、品種の識別などによく用いられているマーカーです。

 

ホワイトギニアヤムについては、これまで遺伝解析に利用できる適切なSSRマーカーがなかったのですが、私たちの研究チームでは、岩手県立生物工学研究所との共同研究を通じてホワイトギニアヤム用のSSRマーカーを選抜し (Tamiru et al 2015)、これを利用してホワイトギニアヤムの多様性解析用の遺伝資源セット(DrDRS)の開発を行ってきました(Pachakkil et al, 投稿中)。この結果は、我々の開発した16個のマーカーを上手に組み合わせることで、多くの品種・系統を識別することができる可能性を示すものでした。

 

今回、我々が提供するホワイトギニアヤムの品種識別技術では、外観からではまったく見分けがつかないホワイトギニアヤムでも、このSSRマーカーがそれぞれのDNAの中に含まれる配列の特徴によって異なるバンドパターン(多型)を示すことを利用して、品種や系統を識別することができるのです。

 

品種識別技術の利用を支援するツールキット?

これまでの話を聞いて、なんだか難しい技術のように感じるかもしれません。また、実際に品種識別を行うには、それぞれの品種の特徴的なバンドパターン(多型)を事前に知っておく必要がありますが、これらの準備が面倒なように感じるかもしれません。そこで、我々はこの品種識別の実施に必要な技術マニュアルやサポートを詰め込んでパッケージ化し、その利用を促進するためのヤム品種識別技術ツールキット」を提供することにしました。

 

このツールキットは、できるだけ安価に、そして早く品種識別を行ってもらうことを目的に開発されたもので、以下の4つのステップごとに利用者の品種識別に必要な作業を支援します。

 

ステップ1:品種識別可能な最小マーカーセットの選択

ステップ1:ダイアグラム

ステップ2:対象サンプルからのDNA取得

ステップ2:ダイアグラム

ステップ3:DNAの増幅と電気泳動の実施

ステップ3:ダイアグラム

ステップ4:SSR多型情報を利用した品種識別

ステップ4:ダイアグラム

*画像をクリックすることによって、それぞれのステップの解説ページに移動することができます。

品種識別ツールキットを利用することでどんな利点があるの?

今回提供する品種識別ツールキットには、利用者が小規模な実験設備で、簡易かつ迅速に、そしてできるだけ安価に品種識別技術を利用してもらうために、いろいろな工夫や新しい技術・サービスが盛り込まれています。

小規模実験施設でもつかえる!

SSRマーカーは、他のDNAマーカーと比較して高度な施設を必要としないのが特徴です。しかし、今回の品種識別ツールキットを作成するために、品種識別に必要な技術作業、必要な機器・薬品を見直し、できるだけ実験施設や大型機械の必要がないような手法の提案や新たな技術開発を行いました。例えば、電気や薬品の供給が不安定な西アフリカでも利用できるように、大型の冷蔵庫や液体窒素などを利用しない手法を提案しています。

Suit to small lab

できるだけ安価に!

品種識別ツールキットが提供する様々な技術・サービスには、大型機材の必要性を減らすだけでなく、できるだけ消耗品や薬品も安く済むような工夫をおこなっています。現在の試算では、品種識別にかかる直接コストは、これまでの方法とくらべて10分の1以下に抑えられると想定しています。

 できるだけ安価に!

できるだけ早く!

これまで高度な遺伝解析を行うためには解析サービスを行う実験施設などにサンプルを送る必要があり、結果がでるまで時間がかかるので、気軽に利用している品種の確認をおこなうことができませんでした。この品種識別ツールキットを利用して自分の実験室で確認が行えれば、品種識別に必要な時間は格段に短くなります。例えば、「植え付け前の種イモの準備の前に、利用する10品種程度について間違いがないか確認しておきたい」という場合、サンプル取得〜乾燥、DNA抽出、PCR、電気泳動まで待ち時間を含めて2.5あれば品種識別結果がでることになります。

できるだけ早く!

 

効果的なホワイトギニアヤムの品種識別のために

この「ヤム品種識別技術ツールキット」では、SSRマーカーを利用した品種識別を可能にするとともに、利用者の品種識別をできるだけ容易にするように、国際農研のEDITS-Yamプロジェクト(第1期、第2期)を通じて、以下の5つの技術・サービスを新しく開発・提供しています。

    - ホワイトギニアヤム用に選抜した16個のSSRマーカー

    - SSR多型情報を収蔵するデータベース(550品種・系統@2020年3月時点)

    - 最小マーカーセットを検索できるWebアプリケーション

    - イモ表皮のサンプルからのDNA抽出技術

    - 複数個体の葉の混合サンプルから他品種・系統の混入を確認できる混入検出手法

 

また、利用者の利便性の向上のために、提供する技術やマニュアアルへの見直しを行いました。例としては、

 

    - 葉からのDNA抽出の成功率を向上させるC-TAB法の改良

    - 乾燥シリカゲルを利用した葉やイモ表皮のDNA抽出用サンプルの調整法

    - PCRや電気泳動の技術マニュアル

    - 低コストかつ簡単な操作で利用できる電気泳動装置の提案

 

EDITS-Yamプロジェクトの下で行われたこれらの作業には、多くの協力者や共同研究者、国際農研の同僚の協力をいただきましたことをここに記します。このヤム品種識別ツールキットの開発に協力いただいた方については、Acknowledgementsに詳しく紹介しています

準備はできましたか?

ホワイトギニアヤムの品種識別に興味がでた! ”、”使ってみたい!という方は、下のアイコンをクリックして、ステップ1に進んでみてください。

リンクをクリック

お詫び:

現在、本ページ「ヤム品種識別ツールキットについて」以外のページは、英語のみでの提供となります。ご迷惑をおかけしますが、ご理解ください。

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